保育の表現技術「言語表現」の2回目の授業。
1日に3クラスの授業をするのですが、1クラスだけは5限目にも授業をしました。
5月から7月にかけて、合計6週間の実習があるため補講が5限目に入ります。
この曜日は、実習期間以外は、1日に同じ科目を4コマ連続でやっています。
5限目の内容はクラスによってずれていくので、それをどうするのか、ということもあります。
授業開始時点で、ペアになり2ペア4人で机を向かい合わせて座ります。
このフォーメーションで進めています。
メンバーは固定ではなく、その都度、ペアを作ることをベースに、机やいすを移動させます。
今日もスタートは絵本です。
今週は「あな」
福音館のこどものともハードカバー(傑作集)です。
谷川俊太郎&和田誠の黄金コンビですね。
ここは淡々と進みます。
次に、ペアコミュニケーションでのオープンクエスチョンの練習です。
先週のニュージーランドの「質の高い保育」の話題とのつながりになります。
ちょんせいこさん、岩瀬直樹さんの共著「信頼ベースのクラスをつくる よくわかる学級ファシリテーション②子どもホワイトボード・ミーティング編」の28ページからをそのままにやってみました。
信頼ベースの学級ファシリテーションについては、小学校や中学校の先生たちを中心に各地で勉強会が開かれ、facebook上での情報交換も行われています。
私も保育者養成の授業について発信しています。
ペアでのオープンクエスチョンの練習は、最初1分、次に3分にチャレンジしました。
聞き手と話し手になって、聞き手はオープンクエスチョンやあいづちの例(というと?、たとえば?、なるほど、へえ…)が印刷された「質問の技カード」を見ながら、オープンクエスチョンだけで話を聞きます。
一つの話題で3分間話すということは、慣れないとものすごく長い時間です。
また、相手の話を聞いているうちに、心が反応して聞きたいことがでてきます。
しかしここでは「自分が聞きたいことを聞く」のではなく「相手が話したいことを聴く」そこに軸足を置いてオープンクエスチョンの技を使ってみよう、とインストラクションしました。
後半は、ペアでのストーリーテリングです。
簡単な台本を元に、二人の掛け合いでお話を語ります。
これは、私の幼稚園保育者時代の経験を元にしています。
当時、月に一回のペースで、幼稚園の先生たちみんなで取り組むシアター的活動がありました。
幼稚園の名前にちなみ、パープル劇場と呼んでいました。
パープルさんこと小林由利子先生(現在、東京都市大学)の演出での出し物もあれば、保育者が考えたもの、小林先生の学校の学生さんの発表ということもありました。
小林先生の専門はドラマ教育です。
子どもたちに多様に表現して欲しいと願う以上、子どもたちが観たり聴いたりする、受け取る経験の場を豊かに用意しようということで取り組んだ活動です。
様々なことをしましたが、保育者数人でする朗読劇がありました。
舞台設定もシンプルで、演者が並んで立つだけ、せりふの時だけ前に一歩出るといったようなものでした。
シンプルなだけに、イメージやメッセージがとても豊かに伝わることを感じましたし、アイコンタクトや目線、間など、保育者にとっても体験的な学びがとても多い活動でした。
今回は、「二人語り・虎の巻―相方・聞き手とつくる語りの世界」(著:末吉正子、一声社)に掲載されている台本を使いました。
二人の掛け合いのほかに、聞き手(お客さん)に合いの手を入れてもらうというスタイルになっています。
そこで、2ペア4人グループに2つの台本、A・Bを渡します。2つのペアがどちらの台本でするのかを決めます。
①「聞き手に合いの手を入れてもらうこと」をどのようにインストラクションするか
②相方や聞き手への目線やアイコンタクトのタイミングを考える
ことを意識しながら、ペアで5分間練習します。
練習が終わったら、Aのペアが移動して他のテーブルに行ってお話を演じます。
次に、Bのペアも移動して他のテーブルでお話を演じます。
今回の授業では、授業のリフレクションとして次の3点について、振り返りを書いてもらいました。
※オープンクエスチョンについて
①オープンクエスチョンやあいづちを使って聴くことができたか
②相手から感じた「好意的な関心の態度」について気付いたこと
※ペアストーリーテリングについて
③タイミングや間、目線について感じたこと
次のような振り返りがありました。
・どうしても自分がしゃべりたくなってしまって、相槌だけで聞くのは難しかった。
・眼を見てくれる、うなずいてくれると、興味をもっていることが伝わってきた。
・相手が話す時は口を挟まず、話し終えるのを待つことが大切だと感じた。また、相手の目をしっかり見ていれば自然と呼吸やタイミングが合うことを感じた。
・話し手の時は、アイコンタクトで相方とタイミングを合わせたりお互いに笑ったりなどのときに、楽しさを感じた。聞き手の時は、聞きながら相槌を打つとお互いが笑顔になる瞬間があり、楽しかった。
・話し手側のときは、台本どおりに相方が相槌をしてくれてタイミングが合いスムーズに行きました。聞き手の時は、はじめ相槌のタイミングが合わずぎこちなく感じましたが、だんだんとタイミングが合うようになり、タイミングが大切なのだと思いました。
・ペアコミュニケーションは、どんな態度でいたら相手が話しやすいか、どんな態度をしてくれたら自分も話しやすいかを改めて実感できました。
・相方が話した後の合間を、どの程度とるのかが難しかった。
・初めは、オープンクエスチョンだけで聞くことができるが、だんだんとオープンクエスチョンだけで聴くというのは難しくなって、うまく出来なかった。
・相手が自分の眼を見て聴いてくれたり笑顔で聞いてくれていると、話していて気持ちがよかった。
・タイミングが合ったときは心地よく、次の言葉もすんなりと言えるし、受け止められる。
・眼で見て相槌をされたので、しっかり聞いてもらえた感じがした。
・話し手の時は、間違えないことやしっかり間を空けることを意識し過ぎて緊張したけれど、聞き手が上手にタイミングよく合わせてくれたので、ヨカッタ!聞き手になったときは、どのタイミングで合いの手を入れて欲しいのかがよくわかったので、楽しみながら聞き手役をすることができた。
・話し手からの合図に合わせて合いの手を入れた時も、合図なしで合いの手を入れた時もあった。しかし、お互いに呼吸の間をとって相槌をしたので違和感がなかったのだと思った。
・普段何気なく会話をしているけれど、聞き手と話し手しだいで大きく変わるものだということを感じたし、聞き手がしている相槌には大きな役割があることがわかった。
・相方がせりふを言い終わって、少し間をおくと言いやすかった。
・一言一言うなずいてくれたり、眼を見て聞いて、相手のほうを向いて聴いてくれると、温かい関心を感じた。
・オープンクエスチョンでは、「たとえば?」を使うことが多かった。
・相手の背中に向けて話をするワークでは、寂しさを感じた。自分が話す時に、興味をもって聴いてくれている様子が相手から見られると、たくさん話したいという気持ちになる。
・「うん」というだけでなく、うなずく動作があると、聴いてくれてる感が高まることを感じた。
・聞き手役のときに、少し間が空いてから合いの手の「ほんとになぁ」と言った時に、何が面白いというわけでもないのに、笑顔になってしまった。
・1分間、相手の背中に向かって話し続けていると、そういう設定なのに、切なくなって話す気がなくなってきました。
・時折うなずいてくれる、というのが話しやすかったです。
・話し方や聴き方で、相手への印象が変わっていくのを感じました。子どもと接する時にも、もっと子どもの話が進むような会話をしていきたいと思いました。
・質問の技カードの言葉だけで聞くと言うのは予想以上に難しく、最初はスムーズな会話にならず難しく感じたが、何回かチャレンジを続けていくうちに慣れてきて、相手側の表情や聞き方を見て、どのような聞き方を選ぶとよいのかを考えることが出来るようになってきました。
・決まった相槌でも、目で見て話したり笑顔で話を聞いてくれると安心します。
・話し手の時、声量、スピードを考え気持ちをこめると、相方のせりふや合いの手も入ってきやすいように感じた。
この後、1クラスは補講の授業として5限目に、ペアでのストーリーテリングをもっと長い台本で練習し、10~12ペアごとに発表しあいました。
さらに練習して、6月の土曜日の親子イベントなどで発表したり、昔話などを題材に自分たちで台本を作るところまで進めていく予定です。
相馬靖明(和泉短期大学)
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