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昨夜の実践研究会・・・テーマ「子育て支援」

愛媛地区実践研究会、昨夜のテーマは「子育て支援」

渡辺英則さんが、初等教育資料1月号に書かれた「幼稚園における子育て支援と教育課程外の教育活動に関する配慮」をテキストに進めました。

渡辺さんは、ゆうゆうのもり幼保園と港北幼稚園の実践から、いわゆる「預かり保育」が始まると、次のようなことが起きると言います。
1.教育課程の時間だけではわからなかった子どもの姿が見えてくる
2.固定メンバーではない、遊びの継続性がない・・・もっともっと柔軟性が求めれるようになる
3.クラス単位の発想では実現しにくかったこと・・・実現可能になる
4.いろいろな人を巻き込める
5.担当者が非常勤の場合は難しいが・・・今までできないと思っていたことが意外と簡単にできる・・・そのことがきっかけで、教育課程にかかる保育そのものが新たになる可能性がある

本文では港北幼稚園での様々なボランティアの一端が紹介されていますが、昨夜の研究会では、香川県の「カナン子育てプラザ21」での実践について、急遽ご紹介いただきました。(山本先生、ありがとうございました)
「カナン子育てプラザ21」
http://www.ans.co.jp/n/kanan/plaza/index.html
こちらではかなり早い時期から、一時保育、午後10時までの保育、休日保育、病後児保育を実現されてきました。
その一方で、ボランティア養成講座を実施し、ボランティアの方が保育に様々な形でかかわることができるような環境作りもされてきたそうです。
「赤ちゃんを抱っこしたいおじいちゃん」ボランティア・・・そのおじいちゃんは赤ちゃんを抱っこしたいのだそうです、それも7、8ヶ月限定。・・・確かに・・・反応はあるし、人見知りはまだないし、目を離せないようないたずらはそれほどしないし、なにしろ可愛いし・・・でも、ゆったりと抱っこしてくれるおじいちゃんがいることで、保育士がほっとし、おじいちゃんと赤ちゃんが醸し出す雰囲気に他の子どもたちも寄り集まって・・・そんなことが起きるのだそうです。

今回、山本先生には急遽、「園に関わるボランティア」について話していただいたのですが、カナンの子育て支援センターの実践も、子育て支援を保育園がすることの意味に、ずーっと、ずーっとこだわって実践されてきました。
子どもが育っていない子育て支援は意味があるのか・・・ということへのこだわりだと思います。
また、機会があったらお話いただけたらと思いました。


追伸
「初等教育資料」最新号の2月号では、障害のある幼児の指導をテーマに、仙田晃先生が執筆されています。こちらも注目です。

(松山東雲 相馬)

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宮崎駿「仕事の流儀」

大学の授業もいよいよ終盤です。
短大2年生の保育者論は、2回分(幼稚園実習期間の)の補講を含めて、各クラスあと3回となりました。
今日は、NHKの「仕事の流儀 プロフェッショナル」のスペシャル版、夏休みに放映された「宮崎駿」の回のVTRを学生と見ました。
スタジオジブリの保育園の話も少しして、宮崎駿さんのように保育の世界を応援してくれる人がいるのは心強いね!という授業にしたかったのです。

さて、まもなく社会人の彼女たちには、宮崎がスタッフを叱責する緊迫した場面などが響くかと思ったのですが・・・
何より宮崎の「人間理解」に保育と通じるものがあることを感じとった学生が多かったようです。
それも、全てを理解した上で作品作りが始まるというのではなく、作品を作っていくプロセスでその登場人物の人間性が「ああ、そうだったのか」と理解できるようになる・・・これが、まさに保育的です。
また、スタッフが描いた全ての絵に宮崎が目を通している場面からは、「常に見直しをすること」「繰り返し何度も試すこと」という点が保育との共通点ではないか、と感想を書いてきた学生もいます。

いくつか、学生の感想を紹介します。

・宮崎駿さんのビデオを見て、子どもたちが夢や希望をもてるような環境や援助を大切にしていかなければいけないと思いました。私は、子どもが生き生きしている社会は幸せな社会だと思っているので、自分自身が生き生きと遊ぶことができる保育者を目指していきたいと思いました。

・幼少時代の思いや考え方や体験は、やはりその人の将来に大きな影響を与えていると思いました。また、保育とつながる大切な部分も感じました。そういった豊かな心によって、あのジブリの世界観と感動が生まれるのだなと思った。

・私たちは子どもと向き合っていくけれど、宮崎監督はアニメの人物と向き合っているんだなあ。アニメだけど、その主人公の性格や雰囲気や、ものすごく大切にして愛情をもって接して、描いている。

・作品作りと保育は、人間を理解して表現するという点で、同じことが言えるのかな、と思った。一つの映画を作るためにこだわり続けること、そのこだわりが素敵な作品を作り出す・・・スタッフの子どもの写真を見て、主人公の性格が作られていくなんて、少し驚きました。

・見る人に楽しんでもらいたい、という監督の言葉がありました。自分が考えたことを実践し、それが自己満足で終わるのでなく、全ては相手にある・・・確かに、保育に通じるものがあると思いました。

・ゴールを決めないで、今の子どもたちに向き合うことの大事さとして感じました。

・監督は、私たち以上に子どものことをよくわかっているなあ、むしろ、大きくなった子どものようだった。

・「プロ」の仕事は、裏でとても大変な思いをしていることがよくわかった。そして、全てがうまく行っているわけではないことも。私たち、保育士や幼稚園教諭も、周りから見たら子どもと遊んでいるとしか見えないが、見えないところでは計画を立てたりなどの役割もある・・・

・ジブリの保育園に行ってみたい!ぜひ、宮崎監督の考える保育観とかを聞いてみたい!(私もそこで働きたいなあ・・・愛媛にも保育園建てて欲しい・・・)


最後は、やっぱりそうきたか、という感じのコメントでした・・・
(松山東雲 相馬)

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安心こども基金・ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム

全国児童福祉主管課長・子育て応援特別手当関係課長会議(1月8日)の配布資料です。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/01/s0108-4.html

ちょっと前に出ていたのですが・・・

児童福祉法改正と二次補正予算通過後の行政の対応について、様々なガイドラインがあるようです。
例えば・・・
「施設内虐待発見者の通告義務化」に対して、担当部署をどうするか、どのようなフローで対応するか
緊急サポート事業の廃止後、ファミリーサポートセンター事業のない地域はとりあえずどうするのか
安心子ども基金については、各都道府県ごとに条例を作る必要があるのですが、その雛形
交付要領(交付額の算定基準など)の案
などなどです。

例えば「保育の質の向上のための研修事業など」として50億円計上されてますが、各都道府県の昨年10月1日時点での登録保育士数の全国総数との割合で算出するとかです。
そうすると、ずっと前にやめちゃってもう現場に復帰する意思のない方も、登録だけはしておいてくれたほうがよかった・・・という話ですか・・・

また、「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム」発足記者会見の資料が公開されていました。

http://www8.cao.go.jp/shoushi/13zero-pro/index.html

これからここで議論されることが「運動」になっていくこと、なのだと思うのですが・・・

今日は、愛媛県保育協議会の施設長対象研修会が松山市であり、ゆうゆうのもり幼保園の渡辺英則さんの講演でした。
渡辺さんを会場へ送迎したついでに、講演も聞かせていただくことができました。(保育協議会の皆さん、ありがとうございました)
大変刺激的な内容でした。

横浜市では、まだまだ保育園の増加が続いているそうです。(増加数は仙台市に続いて2位だとか)
そのほとんどが、ビルの中の施設で園庭がないのです。
近所の公園を活用するといっても、一つの公園にあちこちの保育園から散歩に来るのでごったがえすのか、近所の人から迷惑がられ・・・他の保育園と重ならないように気配りしなければならない、とか
保育園の建設計画が持ち上がると、その地域の人たちからは大反対・・・
子どもがうるさいとか、送り迎えで混雑するとかという理由のようです。
市の担当者が、地域の説明会で反対論が多い中、乳児を抱えた母親が発言したので期待していたのに・・・
「私はこの子を預けることができたから助かってるけど、うちの近くに保育園ができるのは反対です」
と言われ悲しくなりました、とか・・・
ビル内の施設は保育室の壁がクッション性のあるものになっていることが多く、子どもが危険を察知できない状態になっていて、その子が認可保育所の空きができてそこに入所すると、とたんに怪我をするとか・・・
そうするとどうなるか・・・パワーポイントにはブランコの写真が・・・ブランコ使用禁止など、使わせない対応が増えてくるのだとか

渡辺さんは、「子育て支援としてやっているけど、子どもが育ってない」という状況の一例として紹介されました。

その後、映像を交えて、ゆうゆうのもりでの実践が紹介されました。
幼稚園が認定こども園を始めると、幼稚園型の保護者と保育所型の保護者との間の難しさが表面化してくるようです。
そこに関わるエネルギーは相当のものだ、渡辺さんは言います。
幼稚園保護者は「しわよせがくる」保育所保護者は「肩身がせまい」・・・これと同じような状況は、子どもが小学校に入学してすぐの保護者会であらわれます。
PTAの役員決め、PTAの活動への協力・・・
私は当時、地域の幼稚園の教員でかつ保育園の保護者だったので、そのことを強く感じました。
認定こども園が増えて地域の小学校と連携すると、そのあたりがうまくいくようになるのでしょうか?

ゆうゆうのもりや港北幼稚園では、園だよりやクラスだより、若い保育者が作成した映像、保護者のブログや新聞など、発信する実践がとても面白く、これまでも実践研究会などで報告していただいたことが何度もあります。
しかし実際には保育者が話し合いおたよりや映像を作成する時間がない、というのが保育所の実情です。

8時間の勤務時間のうち2時間くらいは、子どものことを話したり、次に向けての準備をしたりという時間として保証されないと「子どもが育たない子育て支援」になってしまうと、現場が、園長先生たちが発信していきましょう!
と、講演は締めくくられました。


(松山東雲 相馬)


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保育原理の授業で

昨日のエントリーは、幼稚園教育要領第3章の「指導計画の作成に当たっての留意事項」について、
特に「体験の多様性と関連性」に関して、榎沢先生へのインタビューを紹介しました。

解説書では、

「心を動かされる」体験→
「心を引き付けられ,そのかかわりに没頭する」体験→
「心に染み込み,幼児を内面から変える」体験

として、体験のつながりが示されています。
このつながりは、「心情」→「意欲」→「態度」というつながりであるとも読み取れます。

心情と意欲とをつなぐ矢印には、教師が体験を共有し心情に共感するプロセスがあります。
意欲と態度をつなぐ矢印には、興味・関心を幼児自身が追究するための環境の再構成というプロセスがあります。

榎沢先生は、昨日のインタビューの中で
「人間は生きていく限り体験を常にしています。ただし、それは放っておけば忘れてしまうものです。一方、経験は、体験が自分の中に定着していったもの」
として、体験と経験の違いを説明されています。
そして、子どもにとっては「体験が次の遊びにつながっていくこと」だといいます。

次のエピソードは、短大1年生が10月の保育所実習を振り返って
「子どもの姿にひきつけられて、しばらくその様子を見守っていたら、その子がどんなつもりでそのことをしていたかがわかっって意外だった・・・どうかかわってよいのかわからないままにしばらくその場にいたら、子どもが動き出した・・・など、特定の子どもとある程度の時間じっくりかかわった体験を思い出してエピソードを書く」
という課題で提出されたものです。

学生自身の読み取りも書かれていますが・・・違った見え方が出てきそうなエピソードがたくさんありましたので紹介します。
「体験」を言語化すること・・・このエピソードを使って、2年生の授業を考えていきたいと思いました。

エピソード1
【2歳児、園庭で】
年長の女の子3人が、園庭の砂をスコップでかき集め、ザルを通して、サラサラな砂を作ってバケツに集めて遊んでいた。
すると、2歳児のY君と手をつないで通りかかった私を引きとめ
「先生、触って!」
と言って、砂の入ったバケツを差し出した。
触ってみるとサラサラで、太陽に当たった砂だったからか、少し温かかった。私が
「うわー、サラサラ!」
と驚くと、一緒にいたY君もバケツに手を入れ、ニコッと笑った。
Y君は、女の子たちが使っていた道具に手を伸ばした。女の子たちから
「ダメ!」
とすぐに止められ、Y君は泣き出した。女の子たちが
「あっちにあるけん、とってきさいや」
と言って、倉庫を指さした。Y君に
「取ってこようか?」
と言うと、泣き止み、一緒に取りに行きすぐに女の子たちのところへ戻って、真似しながらやっていた。
でも、自分が作った砂は、さっき触った砂と感触が違ったみたいで、女の子たちの砂を取ろうとする。
「ダメ!Yくんのはそっちやろ!」
と言われまた泣き出した。
【その時、その子どもは何を体験していたのでしょう?】
最初は、私の驚く姿を見て「触れてみたい」という興味がわいて、触ってみたんだと思う。そして、サラサラな砂の感触を体験していたんだと思う。次に、それを「自分で作ってみたい!」という意欲がわいて、実際に体験したのだと思う。

エピソード2
【3歳児、おやつの時間の保育室】
3時のおやつの時間に、私は、SくんとHくんの間に座っておやつを一緒に食べました。
イリコとクッキーと、コップに入った牛乳でした。
Sくんがイリコを食べていると、こぼれてコップに入り、イリコが牛乳の中で見え隠れするようになりました。
Sくんは
「さかながおよぎよる」
と言って、コップを回していました。それを見たHくんは、わざと自分でイリコをコップに入れ
「ボクのもおよぎよる」
と言って、私に見せてきました。
楽しそうにしているのはよいけれど、食べ物で遊ぶのはよくないと思い
「魚が泳ぎよるね、でも、わざとはいかんよ」
と言ったけれど、Hくんはやめませんでした。
それを見ていた先生が
「遊ぶんやったら、おやつ無しよ」
と言うと、やめていた。
【その時、その子どもは何を体験していたのでしょう?】
身近な自然の現象を、おやつの時に思い出していたんだと思う。


エピソード3
【2歳児、午前中の園庭で】
E君は、本当は1歳児クラスの子だが、誕生日が早いので2歳児クラスに入っている。
そのためEくんは、まだ一人で遊ぶ光景もよく見られた。
その日、Eくんがボーっとしていたので
「どうしたん?」
と声をかけると、同じクラスの子4、5人が遊んでいる砂場を指さして
「Eくんもあれしたいんよ」
と言う。そこで
「Eくん、一緒に入れてもらいに行こうか」
と、E君と砂場に向かった。
「先生も入れて」
と言って、入れてもらったが、Eくんはその場に立ったまま何もしゃべらなかった。
Eくんのところに戻り
「Eくんも一緒にやりたいって言ったら、ちゃんとみんな入れてくれるけんね。先生と一緒に言って見ようや」
と声をかけたが反応は何もなかった。
そしてEくんは私の手を引いて他の場所に移動した。
しばらくEくんがボーっとしていたので、そのまま見守ることにした。しばらくしてから
「Eくん、また砂場に行く?」
と聞くとうなずいたので一緒に砂場に向かった。するとEくんが
「Eくんもやっていい?」
と自分から友達に声をかけていた。
その姿を見てとてもうれしくなった。
【その時、その子どもは何を体験していたのでしょう?】
最初は、自分から声をかけて仲間に入れてもらうことを経験したことがなくて、なかなか言い出せなかったが、2回目にはちゃんと言えたので、「一緒に入れてもらう」ということを体験できたのだと思う。


エピソード4
【3歳児、散歩から帰り食事をした後の保育室で】
みんなで近くの公園にドングリを拾いに行った。
拾ったドングリは先生に渡していた。
その後園に戻り、しばらく遊んでいると、K君が、自分の荷物が入っているロッカーを行ったり来たりしていた。
何があるのか見ていると、行くたびに、隠し持っていたドングリがきちんとあるのかを見ていた。
ドングリを先生に渡さないといけなかったけど、誰にも取られたくなくて仕方がない様子で行き来していた。
【その時、その子どもは何を体験していたのでしょう?】
ばれたくない、とられたくないという様々な気持ちで、気になってしょうがないのだと思った。


エピソード5
【2歳児、午睡後の園庭、池の前で】
みんながお片付けをして部屋に入っているときに、ある男の子が、池の前でじっと鯉を見ていた。
しばらくその様子を見ていたが、動く様子もなく、暗い雰囲気が漂っていたので
「どうしたん?」
と声をかけた。すると
「○○せんせいに おこられた」
と悲しそうに言う。
あまりに落ち込んでいたので
「お部屋で待っとるよ」
と一声かけ、頭をなでてその場を離れた。
その後、担任の先生と部屋に入ってきた。
【その時、その子どもは何を体験していたのでしょう?】
他の子は、叱られても、すぐにふっきれて遊んでいたが、その男の子は、叱られたことを反省しているようだった。
鯉を見ることできっと、気持ちを落ち着けていたのではないかと思う。

エピソード6
【2歳児、午前中の砂場で】
朝、先生のお話が終わった後、1~2歳児クラスはだいたいの子が砂場で遊び始めた。
砂場には自動車の形をしたおもちゃに人気があるようで、トラブルが何度かあった。
1~2歳クラスの子どもたちが遊んでいる中に、2~3歳児クラスのAちゃんがいた。
Aちゃんも自動車のおもちゃが好きな様子で、大事そうにそれを持っていた。
「せんせい、ブー、ブー」
と、Aちゃんが私の足元にそのおもちゃを滑らせてきた。
何度かこれを繰り返してきたので、私は
「ザバーン!大きな波が来るよー」
と自動車に砂をかぶせた。
Aちゃんは、おもちゃが砂に埋もれて見えなくなったことに、一瞬ビックリした様子で
「あれ?」
と言った。私が砂の中から車の一部(青色)を見せてみると
「あったー!」
と、とてもうれしそうに砂の中から車を見つけていた。
「もういっかい、なみやって」と何度も何度も繰り返し、それを楽しんだ。
次の日も、その次の日も「せんせい、なみやって」といって来た。
久々に、Aちゃんの様子を見に行ったとき、
「せんせい、みて、なみザバーン」
と自分で車を砂に隠して見つけてを、今度は他の子と一緒に楽しんでいた。
【その時、その子どもは何を体験していたのでしょう?】
砂場遊びをしているとき、子どもはよく色のことを言っていた。
私が黄色いおもちゃを持っていると「せんせい、おなじね」と自分の持っている黄色いおもちゃを見せてきた。
Aちゃんも、自分の持っていたおもちゃの色をおぼえていたので、車の一部が見えた時「ハッ!」としたのかなと思った。
繰り返し遊ぶことも楽しく、私の声にも反応して真似をしていた。
「あったー!」「やったー!」など、誰かと同じ気持ちで驚いたりすることがとても楽しかったのかな?と思った。
私がいないときに、Aちゃんは同い年の子どもと、この体験をして、自分が「波」を出す役をしていたんだと思った。
「一緒に楽しい」ことがうれしかったのだと思った。


エピソード7
【4歳児、登園直後の保育室】
Aちゃんに誘われ、前の日と同じように積木で家を作り一緒に遊び始めた。
すると、登園してきた順にBちゃんCちゃんが
「Aちゃん、よして」
「いいよ」
とみんなで遊び始めた。
Dちゃんが登園してきてみんなにおはようと挨拶して荷物を片付けていると、Aちゃんが
「Dちゃんはきのうあそんでなかったけん、Dちゃんはよしてあげんけん」
と言った。
Dちゃんは、落ち込み「うん」と下を向いた。
その時ちょうど保育者がいて
「なんでそういうこと言うの、もしAちゃんが言われたらどう?」
と言った。Aちゃんは
「いやだ」
と言い、Dちゃんにごめんねと誤り、一緒に積み木で遊び始めた。
【その時、その子どもは何を体験していたのでしょう?】
Aちゃんは、前の日のメンバーと遊びたかったのだと思う。
でも、保育者に言われて、「もし自分がDちゃんの立場だったら」と考えたときに、相手の気持ちに気づくことができたのだと思う。


エピソード8
【5歳児、昼食後の保育室】
HちゃんとKちゃんが、テーブルで塗り絵を始めた。
Hちゃんが
「せんせいはこれぬって」
と言い、1ページ目を私が塗ることになった。
すると、Kちゃんも
「Kのもぬって」
と言ってきた。
二人から誘われたので困ったが、私は、先に約束したHちゃんの方に行くことにした。
「後から行くからね」
とKちゃんに声をかけ、Hちゃんの塗り絵をしていると
「せんせい、Kちゃんのところへいってあげて」
とHちゃんが言ってきた。
Kちゃんは、静かに一人で塗り絵をしながら私が来るのを待っていた。
Hちゃんの一言で、私はKちゃんのところへ行き一緒に塗り絵をした。
Hちゃんは一人で静かに塗り絵をしていた。
【その時、その子どもは何を体験していたのでしょう?】
二人は初め、私の取り合い、という感じだったが、私がHちゃんのところへ行ったことでKちゃんは少し不機嫌にしていた。Hちゃんもそれを察したのかな、と思った。

(松山東雲 相馬)


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乳幼児期に必要な体験とは・・・「保育の実践と研究」最新号を読んだ

「保育の実践と研究」誌最新号の特集のテーマは「乳幼児期に必要な体験とは」

改訂された幼稚園教育要領では、「指導計画の作成に当たっての留意事項 1 一般的な留意事項」に、新たに第4項目として以下のような文章が追加されています。

(4)幼児が様々な人やものとのかかわりを通して、多様な体験をし、心身の調和のとれた発達を促していくようにすること。その際、心が動かされる体験が次の活動を生み出すことに考慮し、一つ一つの体験が相互に結びつき、幼稚園生活が充実するようにすること。

本誌では、この項目が新たに付け加えられた背景を考えることが、
「保育の基本を見つめ直すと共に、社会の中に置かれている保育の状況や、逆に社会に対して保育の側から発信するべきことが見えてくるのではないか」
と、特集を組んだのだそうです。

特集の内容としては、改訂に携われた榎沢良彦先生(淑徳大学)へのインタビューと、事例を交えた実践報告・論説が紹介されています。

榎沢先生は、「多様な体験」「豊かな体験」とはメニューの多さではないと言っています。また、「一つの体験としてのまとまり」という言葉も使われています。
そうすると、幼児自身が自らの体験を統合していくプロセスに、豊かさや多様さがあらわれてくるのかもしれないと思いました。

2月22日に「保育の実践と研究シンポジウム」が、東京家政大学を会場に開催されるとのことです。
幼児期に必要な体験について榎沢先生と河邊貴子先生(聖心女子大学)が対談されるそうです。
このお二人だとすると、議論になるのか対話になるのか・・・楽しみですね。

(松山東雲 相馬)


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締め切り・・・

明日が、今年5月の日本保育学会の発表論集の原稿締め切りなので、たぶん多くの方が昨日か今日郵便局に持って行ったのではないでしょうか。
学会の準備委員会に方には本当に申し訳ないのですが、かなりやっつけ仕事でした。ごめんなさい。(研究者の倫理とか言わないでー!でも多分間に合ったのではないかと・・・)

と、そんなことをしている間に、再来年の保育学会は松山東雲が会場校となることになっています。
準備委員会も立ち上がることになりました。
自分のいいかげんにしていたことが、そのままはねかえってくるのでしょうね。(因果応報・・・)

そんなこんなもあったのですが、自分の楽しみもしっかりやった1週間でした。
東京に帰ると、我が家には3種類のダッチオーブンがあって、この年末年始はフル稼働でした。
東京ではキッチン用のダッチオーブン・スキレット・ディープスキレットの3種類を使っているのですが、松山での単身赴任では、キャンプ用ダッチオーブンを購入して楽しんでいます。
キャンプ用のは、鍋のフタの上に炭火を置いての天火が可能なので、昨日は御荘の牡蠣を食べました。
御荘というのは、愛媛県南部、高知県との境目にある海のきれいないいところです。そこの牡蠣が、5個盛りで298円!
近所のスーパーです。
広島や三陸の牡蠣よりはやや小ぶりでしたが、味はめちゃくちゃ美味かった・・・地方暮らしの美味しさはこれですよね!

本当は明日、附属幼稚園の餅つきがあり、その翌日、ダッチオーブンで煮た小豆で、餅を焼いてお汁粉を作る約束を学生としていたのですが、インフルエンザの流行で、餅つきが1週間伸びました。
お汁粉デーも1週間後の予定です。
食育がなんたらかんたら、と授業で話した覚えがあるのですが、やっぱり、自分で作って食べる楽しみは、誰かに誘われないと出会えないものだったりするのですよね。
夏にやったトコロテンもそうでしけど、学生と一緒に作って食べる楽しみを味わえる機会をなるべく多くしたいと考えています。
そういう点では、ダッチオーブンはいいですよ!

(松山東雲 相馬)

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「保育行為の連携をめぐる問題の構造」(「保育学研究」2008年2号)・・・を読んだ

日本保育学会の学会誌「保育学研究」の最新号に、戸田雅美先生(東京家政大学)の論文が掲載されています。
わが師匠である、戸田先生は、今回

「これまで違う状況の中で保育をしてきた者同士が、同じ場で保育行為の連携をすることになるため、様々な違和感を感じながらも、理解を深めることができず、真の保育行為の連携の成立が困難になっている」状況について

その「問題の構造を、理論的に明らかにし、そこで明らかになった問題の構造の具体的な内実を、一つの事例を通して検証」し

「連携の困難の解決に向けて」の手がかりを提示したい、と今回の論文を書かれたそうです。

そのために、「保育行為における価値の対立と連携の関係」を、「あえて二つの直行する軸に分けて表すことで、日常的には渾然としたままにとらえられている問題の構造をとらえる」ことにチャレンジされています。

F1_2


この図は、同書の204ページの図1を再現したものです。
小さいのでクリックしていただくと多少大きくなります。

座標軸の
右上(Aの領域)は「価値の対立がなく、かつ、連携する」

右下(Bの領域)は「価値の対立があり、かつ、連携する」

左上(Cの領域)は「価値の対立がなく、かつ、連携しない」

左下(Dの領域)は「価値の対立あり、かつ、連携しない」
という関係になります。

Aの領域では・・・保育行為をめぐっての意見交換が容易な状況になります。

Bの領域では・・・実際には相手の価値との対立を避けるために、とりあえず「合わせる」ということが起きます。この場合の問題は、「合わせる」立場の保育者が固定化される場合だと指摘しています。

Dの領域では・・・価値の対立を自覚したとしても相手に合わせるという選択はしないという状況ですが、この場合「その保育者との関係の中での一貫性は守られるが、子どもが育つ場としての幼稚園や保育所の全体としては、一貫性を持った安定感のある保育が保障されない」状態だと戸田先生は指摘します。

なお、Cの領域は実際にはありえないので本論では触れていません。


さて、Aの領域について戸田先生は、「理論的には、価値について、強いリーダーシップを発揮する存在のある園でこのような状態になる」としますが、「特に強いリーダーシップを発揮する」人間がいなくてもAの状態になることはあります。
戸田先生は、「研修の機会が多く、何を「善きこと」と判断するかに関する自分の意見を公開したり、自由に議論をする機会がある」とそのようになるといいます。
ただ、このような場合にも問題はあり、保育者同士の連携がしっかりしているために、実は、子どもにとって「善きこと」になりえていない場合が生じているときに気づきにくい、という可能性を指摘しています。


ところで、今回の冬季セミナーの1日目、3つの保育現場からの実践報告を、戸田先生の構図に当てはめて考えてみたいと思います。
(思いっきり私見です。報告された皆さんの思いと違っていたら・・・東大の中原先生ではありませんが便所スリッパを松山まで投げ飛ばしてください・・・)

①仁慈保幼園・・・園長先生の強いリーダーシップで、「何を善きこととするか」いう理念の浸透を図ったという「話」として見えてきます。

②若葉台バオバブ保育園・・・自分の意見の公開や自由に議論する機会を増やすための工夫を、特に強いリーダーシップではなく取り組んだ「話」として見えてきます。

③松山東雲附属幼稚園・・・保育行為の意味の理解をしているつもりだったが、何度も何度も何度も振り返るという状況が生じ、その中で「合わせる」ということが起きていたことに気づき、意味を理解した上で合わせていたのか、意味を理解せずに合わせていたのかを吟味する結果になってしまったという「話」としても見えてきます。

①と②はシンプルな見え方なのですが、③は何だか複雑ですよね。

多分Aの領域では、その園の歴史として3つのフェーズを経るということが起きるのではないかと考えられます。
(必ずとはいえませんが・・・)

第一のフェーズ:園長先生のリーダーシップなどで、メンバーに理念の浸透が図られる時期
第二のフェーズ:リーダーシップから離れて、個々のメンバーが自由に語りたいという機運が生じる時期
第三のフェーズ:連携がうまくいくようになることで逆に気づきにくさが生じている可能性に対して、メンバーの目が開かれる時期

かといって、第二のフェーズや第三のフェーズでは、リーダーシップの関与が全くなくなるのか、といえばそうではないと思います。
リーダーシップの質の変化があるのでしょうね。
今回、仁慈保幼園の報告は、園長先生からのお話でしたので、リーダーシップが前面に出てきた感がありますが、園の他のメンバーから見た話として語られると、違ったストーリーとして語られるはずです。
その話も、是非聞いてみたいですね。

勝手なことを書き連ねましたが、それほど、様々なことを考えさせられる刺激の多い実践報告でした。
今回実践報告をしていただいた皆さん、本当にありがとうございました。


(松山東雲 相馬)

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「規範意識」・・・昨夜の保育実践研究会

昨夜は、愛媛地区実践研究会がありました。
今回のテーマは「規範意識」

1.保育指針と教育要領及びその解説書の中で、「道徳性の芽生え」「規範意識」「きまりを守る」といった文言がどこで使われているかを押さえました。
保育指針本体には「規範意識」という文言は出てきません。解説書で一箇所、人間関係の内容⑪についての説明で最後に出てきます。


2.次に、「初等教育資料」2008年8月号の岩立京子先生(東京学芸大学)の論説文を読みました。乳幼児期の規範意識の発達について、岩立さんの枠組みでひとまずは理解してみようということです。
規範には「道徳的規範」と「慣習的規範」があるとのことでした。

3.そこで、参加者それぞれの幼稚園や保育所では、どのような「きまり」があるのかをA5サイズの紙に書き出していただきました。
よく「お約束」という言葉が使われますが、出てきたものを一覧してみると、「道徳的規範」の範疇のものが意外と少ないということに気づかされます。
また、園の環境(建物の構造・場の広さ・子どもの人数・・・)といったものに規制されて生じる「お約束」は、確かに多いのですが、安全を考えると仕方ないことなのか・・・

その後、相馬・児嶋・菅田・高杉から、いくつかをピックアップしてコメントをし、最後に吉村真理子先生にお話いただきました。
私は、吉村先生が語られたことの中で、次の言葉が印象に残りました。(録音していたわけではないので、こんなニュアンスだったということでお許しください)

「規則は破られるためにある」とよく言いますが、保育の場では
規則を「作る」こと「守る」こと「破る」こと、そして「見逃す」ということが起きているでしょう。
このうちのどれか一つでも突出しているとしたら、それはよい状況ではありませんね。

指針や要領では、「きまりがあることがわかる」「きまりを守る」「自分たちできまりを作る」といった表現はされています。
でも、確かに、そこまでに至るプロセスの中で、きまりを破ることや、そのことを見逃したりということが起きますね。
指針や要領では、そこに至るプロセスが大切ですよといっています。
見逃してくれた人の存在に気づいたり、あるいは好意的な誤解が生じて違った意味合いが作り出されたり・・・
このような、センス・メークのプロセスのある保育が、吉村先生の言う「質の高い保育」なのでしょう。

佐伯胖先生は、「幼児教育へのいざない」の中で、次のように述べています。

園児同士の葛藤が生じないように、事細かに「こういうときは、こうすることにしましょう」というようなルールをつくってしまうと、見かけ上の葛藤は少なくなるかわりに、保育者を頂点とした支配関係的な階層構造ができあがってしまう。つまり、「先生の決めるきまりに率先して従い、違反者を監視する」グループと、常に「監視」されて、「逸脱」を非難されるグループ、などである。
(同書176ページ)

私は、そのような階層構造の問題と同時に、子どもの遊びそのものが、粘りの無い薄っぺらな消費的なものになってしまうことに危惧を感じます。

(松山東雲 相馬)

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YES、AND

昨日のエントリーの続きになるのですが・・・

今回、冬季セミナーに参加できなかった私は、研究所スタッフのご好意で冬季セミナーの様子を撮影したVTR映像を見せていただくことになりました。
昨夜、セミナー1日目のセッションを見終わったのですが、2日目のセッションについてはもう少し日を置いて見てみようと思いました。
それほど、1日目のセッションで気づかされることが多かったのです。

見ていて感じたのは、いつもだったら、会場の反応はどうだろうかとか質問が出てきたときにそれを聞いている相手の表情はどうだろうか、といったことが気になってしまっていたんだな、ということでした。
VTRで見ると小さなフレームに切り取られた中を視ることになります。
そうすると、見え方が違ってくるなあ、ということでした。

今回、東雲短大附属幼稚園の実践報告は5歳担任が二人で壇上に上がりました。
主に今回の事例のことを語るAさんとそのかたわらで相槌を打っているBさんとういう「構図」でした。
他の視覚情報は入ってきませんから、自然と今語っているAさんに視線が集中するのですが、次第にかたわらにいるBさんの姿が目に入ってきます。
それでわかったのは、完全なシナリオを決めて二人で役割分担しながら、ということではなかったんだな、ということでした。
話し続けているAさんが、自分で少しつらくなってきた(かのように見えた)ときに、横のBさんに「でね・・・(どうぞ)」というようにマイクを渡すと、Bさんはそこでちょっとひと呼吸置いてつなげていきます。
この構図が、見事だな!と思いました。
この場面を見た時に、私はインプロビゼーションの「YES、AND」のトレーニングを思い出したのです。

後のセッションで、吉村真理子先生が「身びいきではなく」と前置きをされて、この二人の語りの様子を「研修の成果」だと評価されていました。
さらに後藤先生が「YESと受け止めることから新たなアイディアが生まれてくる」そのことを「遺言」として伝えたいおっしゃいました。
私は思わず、見ていたビデオカメラの小さな液晶画面に向かって拍手をしてしまいました。


さて、今日は短大2年生の「保育者論」の授業があり、今回は吉村真理子先生の「保育者の出番を考える 今、求められる保育者の役割」(21世紀保育ブックス フレーベル館)の第2部「舞台の上で」第1節「主役として」第2節「相手役として」(同書24ページ~45ページ)を読んでみようと考えていました。
ことに、保育者が相手役としての役割を果していくときの、「YES」と共感し受け止め「AND」で共感したこと自体を相手に返していく、さらにそこに子どもに育てたいこと経験して欲しいと願うことをも付け加えて・・・というプロセスが、とても身近な事例で語られています。(もちろん、吉村先生はYes、Andという文言は使っていませんが・・・)

本書の45ページには
「こうしてよい信頼関係ができれば、大きくなってよい相談相手になることができるでしょう。」
とあるのですが、この相談相手とは、保育者が子どもの相談相手になるのではなく(そればかりではなく)、子ども自身が保育者にとっての相談相手になる、という意味なのだということに、今回、読み返してみて、改めて気づかされました。

そこで授業では、別府大学附属幼稚園の事例(セミナーで後藤節美先生から紹介された「もりのてんらんかい」の事例)と後藤先生の言葉を紹介し、インプロビゼーションでの「YES AND」のアクティビティーを簡単に説明した後で、吉村真理子先生の文章を読みました。


以下、授業の感想です。

「子どもたちがやりたいと思ったことに対して、保育者たちが「Yes」で答えていくことが大切であると思いました。このことで、いろいろな事が発展し、つながっていくのだと思いました。なので「Yes」の関係を子どもたちとつくることが大切だと感じました。そして言葉で「Yes」と伝えられない場合は、メッセージしていかなければならないことがわかりました。ただ伝えるだけでなく、「あなたのことを思っているんだよ」という気持ちを伝えることが大切だと思いました。」

「私たちは、周りの人の意見・アドバイスをしっかり聞き受け止める心を持つことが大切だと感じました。子ども・仲間の話を聞き、どうすればよいのかを話し合うことでよい保育ができていくのだと思いました。保育者は主役または相手役として、その時、場によって関わり方を臨機応変に変えていくことが大事だと改めて感じ、子どもが安心できる居場所となることが役目だと思いました。」

「子どもに対して「話を聞いているよ」「あなたのことをちゃんと見ているよ」ということを伝えることは大切なことなんだなあと感じた。毎日子どもと関わる中で子どものいろいろな気持ちを読み取ることができ、それを踏まえて関わっていくことを大切にしたいなと感じた。Yes、Andを大切に!」

「イエスで受け止めアンドで返していく・・・主役と相手役を演じるのは・・・難しい・・・慣れたらできるようになるのか?・・・不安」

「保育者が子どもの相手役となるのは、年齢によってや時と場合によって、方法をいろいろ変えていかなければならないのだとわかった。でも方法は違っていても「イエス、アンド・・・」の気持ちを忘れなければ自然にできてくるものなのだなと思った。春から働き始めると自分の不安や焦りなどもあり、つい「No」の思いが出てきてしまいそうな自分に気づけたので、「Yes」の思いをもつことを意識して保育をしていくようにしたいなと思った。」

「毎日の園生活を送る中で、子どもたち個人個人を知れば知るほど、子どもたちへの接し方や話し方に偏りが出てくると思います。個人差を考えた対応は必要だと思いますが、ふと初心を思い出し「みんなを平等に見て接してみる」という考えもいるのではないかと思いました。新人保育士だからこそ、見えるもの、できることがたくさんあると思うので、毎日しっかり考えながら、また自分を振り返りながら保育をしていきたいです。」

「子どもたちが入園してきた頃は、新任保育者の気持ちと同じであるいうことに納得しました。そのような不安がたくさんある状況の中で、保育者は子どもが語りかけることを受け取ること。また、受け取るだけでなく、子どもたちの気持ちを共感することが大切だということをあらためて実感しました。子どもは保育者と様々なことを共感することにより、言葉の獲得や人間関係の確立などたくさんのことを経験していくと思います。保育者はたくさんの様々な役割があるけれど、子どもと共感することもとても大切な役割の一つだと思いました。」

「・・・保育者自身も子どもたちと過ごす時間や行っている活動を楽しむことができるような保育をすることが大切なのかもしれないと感じました。」

「子どもに対してYESと受け止めることが大切ということを聞き、これは普段の友達とのかかわりにも言えてくると思った。友達の話を聞くとき、確かに聞いているのだけれども、自分の意見を言おうとしてついNOの返事に変っているなと思った。つまり、子どもでも大人でもYESという返事をし、相手の気持ちに共感して相手が安心できるようにすることが大切だと思った。」


(松山東雲 相馬)

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冬季セミナーが終わって・・・参加しなかったけど報告(?)

私の手元に、冬季セミナーのVTR映像が届きました。
セミナー1日目の3つのセッションについて見終わったところです。
とりあえずの感想を述べてみたいと思います。

保育の質を高めるために、自分たちの保育をいかにデザインしているのかについて3つの現場からの実践報告と、それを受けてのディスカッションでは・・・「対話」「発信」「PDCAサイクル」「わからなさ」・・・いくつかのキーワードがありました。

そして最後の「森上史朗・吉村真理子・後藤節美 鼎談」のセッションでは・・・「遺言」がキーワードかと思ったら「Yes!」でした。
当日参加した方にしかわかりにくいでしょうから、少し説明を・・・といっても、私もさっき映像を見たばかりなのですが・・・

後藤節美先生の幼稚園の作品展「もりのさくひんてん」の映像(保護者の方が撮った写真を拡大カラーコピーしたものを実物投影機で表示)が急遽、会場に映し出されたのでした。
後藤先生が、こんなになったら楽しいだろうな、面白いだろうな、とつぶやいたことを、園の先生たちが実現してくれた、ととても楽しそうにスクリーンに映し出された映像にコメントをされていました。
「Yes!」って受けとってくれる保育者たちのその保育は、日々新鮮で、楽しいのだとおっしゃられていました。

演劇のインプロビゼーション(即興)のトレーニングで「イエスアンド」というアクティビティがあります。
絹川友梨さんの「インプロゲーム」(晩成書房)によると
(同書については以下のアマゾンのサイトを)
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E2%80%95%E8%BA%AB%E4%BD%93%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E3%81%AE%E5%8D%B3%E8%88%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%97-%E7%B5%B9%E5%B7%9D-%E5%8F%8B%E6%A2%A8/dp/4893802674

「インプロの基本は、相手のオファーを“YES”とポジティブな気持ちで受け入れて、自分のアイディアを“AND”として付け加えることです。」
「自分のアイディアをオファーするだけでは無く、相手のアイディアに“付け加える”ことで、自分だけでは考えつかなかったアイディアに膨らみ、予想しなかったストーリーとして展開していきます。」
(同書66ページ)
そして、ポイントとして次のようなことをあげています。
「相手のオファーを聞かないと、イエスアンドはできません。相手がオファーしているときに、自分の次のアイディアを考えていませんか?よく聞くことの大事さに気づきましょう。」
(同書76ページ)

吉村真理子先生が、東雲短大附属幼稚園の実践報告を聞いていて気づいたこととして、壇上の二人の5歳児担任が、一人が話しているときに、もう一人が実によく聞いている、と言っていました。
よく、研究発表などで壇上に複数で上がると、自分の番の時にはなんて言おうか考えているのか、隣の人の話をよく聞いていない人がいますが・・・と吉村先生は続けられたのですが、「YES AND」のこの姿勢は、前半の実践報告での園長先生を含めた園の先生たちの基本姿勢でもあったのだろうな、と思いました。
吉村先生は、それが「研修の成果だ」とおっしゃられていたのが心に残りました。
さらに吉村先生は、「デザイン」には、自分にとってのデザインと他者にとってのデザインと両方が一体となっていることに意味があるといった意味のことをおっしゃられていました。

当日参加された皆さんは、臨場感の中で知的興奮を味わったのかと思いますが、私は当日参加できなかったおかげで、VTR映像を通してゆっくり、じっくりと味わうことができました。
VTRを撮影してくださった若月さんをはじめ皆さん、ありがとうございました。
さあ、次は2日目のセッション映像です。

(松山東雲 相馬)

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子どもと保育冬季セミナー開催中!・・・その他

●「子どもと保育冬季セミナー2009」
本日より2日間、玉川大学において、「子どもと保育冬季セミナー2009」が開催中です。

今日は、3つの現場(保育所・幼保一体化施設・幼稚園)からの実践報告が行われます。
そのひとつ、松山東雲短期大学附属幼稚園の実践報告は、10月の運動会の前後での5歳児の事例が報告されます。
当日の配布資料として「学年だより」と保護者からの「連絡帳」の一部を抜粋したものが用意されていました。
附属幼稚園の「学年だより」は、私も授業の中で活用させていただいています。

私は、この期間、学生が施設実習を行っている関係でセミナーには参加できないため、後日いただくことになっているセミナーの様子を撮影したビデオ映像が届くのを楽しみにしています。
というわけで、今日は実習先施設のいくつかに巡回訪問指導としてうかがっていました。
今年度は、私が担当している、保育所・施設での実習について、実習ノートの指導方法の改善に取り組みました。
このことについては、昨年9月の全国保育士養成協議会の研究大会で発表しましたが、さらに詳しい内容については学内紀要にまとめています。

●子どもと保育実践研究会賛助会員について
子どもと保育実践研究会では、各地区の実践研究会会員・個人会員の他に、個人と団体を対象にした賛助会員制度があります。
賛助会員になっていただくと、例えば幼稚園や保育所ごとに団体会員になっていただくと、園の職員の方は研究大会やセミナー、各種講座の参加費が半額になるばかりでなく、研究所スタッフがそれぞれ研究紀要などに書いたものを取りまとめてお送りしています。
団体会員になっていただいている園では、職員の研修として活用されているようです。
ただし、大会・セミナー・各種講座とも、東京近辺で行われることが多いため、遠隔地の園にとっては利用価値が低いのが悩みですが・・・
なお、今回、私が学内紀要にまとめた実習ノートの指導改善についての論文が含まれたものは2009年度の賛助会員に向けてお送りする予定となっています。
2008年度会員の方には、私と高杉展さんの前年度の論文や大豆生田さん、小林紀子先生らの論文が含まれたものが近々送付される予定ですのでお楽しみに・・・
2009年度は、もう少し早い時期に送付できるようにしたいと考えています。

●認定こども園制度の在り方に関する検討会(第3回)議事要旨
12月12日に開催された上記検討会の議事要旨が公開されています。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/06kodomoen/k_3/pdf/g-1.pdf

「幼保連携型」で進むことが現時点では一番望ましいのではないかと考えた時に、問題となってくるのが
「保育士の働き方が8時間子どもといることを前提としていること」
だと、委員の渡辺英則さんが発言されています。

「8時間子どもとかかわっていたら、職員全員で会議も開けないし、研修会にも交代で行くしかないんですよ。
子どもと8時間かかわって働いてくれれば、経営者側からすると助かります。
だけど、多分今までの文化として、幼稚園では研修がきちんと認められていたり、みんなで話し合ったりする時間があったり、保育後に行事の準備や保育の準備もできたりしてきた。
そうするとどう考えても、保育者の働く待遇の差とかはなくしても、働き方自体が違っていたりすると、そこを一緒にしようといっても難しいかなというのが自分の中にはあります。」

この点については、無藤隆先生も
「労働時間のすべてが子どもにかかわるという前提で補助金が算出されている限りは、なかなかこの問題は解決しないということで、そこを考え直す必要があるのではないかと思います。
実はごくごく一部の、特に私立保育所などは、いや一部の認定こども園は、あっさりと、子どもにかかわるのは7時間にして1時間プラスという極めて簡単な解決をやっていますが、それは当然ながら補助金として額が増えるわけでありませんから、人手が増えるわけで、それはなかなかつらい決断ですね。
そういう意味では、そこら辺を考えないといけなくて、要するに理念は非常に立派だけれど、現実にはなかなかできないということが出てくるのではないかというふうに懸念いたします。」
と発言されています。

いずれ検討のまとめのようなものが報告されるのだと思いますが、この会議がそのあたりに実際に踏み込めるのかどうかというと、・・・・前後の議事要旨を読んでみると、厚生労働省の「社会保障審議会少子化対策特別部会」「次世代育成支援のための新たな制度体系の設計に関する保育事業者検討会」、財務省の「財政制度審議会」などとのにらみ合い、になっているような様子もうかがえました。

(松山東雲 相馬)


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2009年もよろしくお願いします

もう2日ですが、
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします。

Newyearboat

(ツバメ号とアマゾン号が同盟を結んだのが1929年の8月・・・80年前ということでヨットのイラストにしてみました)

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