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YES、AND

昨日のエントリーの続きになるのですが・・・

今回、冬季セミナーに参加できなかった私は、研究所スタッフのご好意で冬季セミナーの様子を撮影したVTR映像を見せていただくことになりました。
昨夜、セミナー1日目のセッションを見終わったのですが、2日目のセッションについてはもう少し日を置いて見てみようと思いました。
それほど、1日目のセッションで気づかされることが多かったのです。

見ていて感じたのは、いつもだったら、会場の反応はどうだろうかとか質問が出てきたときにそれを聞いている相手の表情はどうだろうか、といったことが気になってしまっていたんだな、ということでした。
VTRで見ると小さなフレームに切り取られた中を視ることになります。
そうすると、見え方が違ってくるなあ、ということでした。

今回、東雲短大附属幼稚園の実践報告は5歳担任が二人で壇上に上がりました。
主に今回の事例のことを語るAさんとそのかたわらで相槌を打っているBさんとういう「構図」でした。
他の視覚情報は入ってきませんから、自然と今語っているAさんに視線が集中するのですが、次第にかたわらにいるBさんの姿が目に入ってきます。
それでわかったのは、完全なシナリオを決めて二人で役割分担しながら、ということではなかったんだな、ということでした。
話し続けているAさんが、自分で少しつらくなってきた(かのように見えた)ときに、横のBさんに「でね・・・(どうぞ)」というようにマイクを渡すと、Bさんはそこでちょっとひと呼吸置いてつなげていきます。
この構図が、見事だな!と思いました。
この場面を見た時に、私はインプロビゼーションの「YES、AND」のトレーニングを思い出したのです。

後のセッションで、吉村真理子先生が「身びいきではなく」と前置きをされて、この二人の語りの様子を「研修の成果」だと評価されていました。
さらに後藤先生が「YESと受け止めることから新たなアイディアが生まれてくる」そのことを「遺言」として伝えたいおっしゃいました。
私は思わず、見ていたビデオカメラの小さな液晶画面に向かって拍手をしてしまいました。


さて、今日は短大2年生の「保育者論」の授業があり、今回は吉村真理子先生の「保育者の出番を考える 今、求められる保育者の役割」(21世紀保育ブックス フレーベル館)の第2部「舞台の上で」第1節「主役として」第2節「相手役として」(同書24ページ~45ページ)を読んでみようと考えていました。
ことに、保育者が相手役としての役割を果していくときの、「YES」と共感し受け止め「AND」で共感したこと自体を相手に返していく、さらにそこに子どもに育てたいこと経験して欲しいと願うことをも付け加えて・・・というプロセスが、とても身近な事例で語られています。(もちろん、吉村先生はYes、Andという文言は使っていませんが・・・)

本書の45ページには
「こうしてよい信頼関係ができれば、大きくなってよい相談相手になることができるでしょう。」
とあるのですが、この相談相手とは、保育者が子どもの相談相手になるのではなく(そればかりではなく)、子ども自身が保育者にとっての相談相手になる、という意味なのだということに、今回、読み返してみて、改めて気づかされました。

そこで授業では、別府大学附属幼稚園の事例(セミナーで後藤節美先生から紹介された「もりのてんらんかい」の事例)と後藤先生の言葉を紹介し、インプロビゼーションでの「YES AND」のアクティビティーを簡単に説明した後で、吉村真理子先生の文章を読みました。


以下、授業の感想です。

「子どもたちがやりたいと思ったことに対して、保育者たちが「Yes」で答えていくことが大切であると思いました。このことで、いろいろな事が発展し、つながっていくのだと思いました。なので「Yes」の関係を子どもたちとつくることが大切だと感じました。そして言葉で「Yes」と伝えられない場合は、メッセージしていかなければならないことがわかりました。ただ伝えるだけでなく、「あなたのことを思っているんだよ」という気持ちを伝えることが大切だと思いました。」

「私たちは、周りの人の意見・アドバイスをしっかり聞き受け止める心を持つことが大切だと感じました。子ども・仲間の話を聞き、どうすればよいのかを話し合うことでよい保育ができていくのだと思いました。保育者は主役または相手役として、その時、場によって関わり方を臨機応変に変えていくことが大事だと改めて感じ、子どもが安心できる居場所となることが役目だと思いました。」

「子どもに対して「話を聞いているよ」「あなたのことをちゃんと見ているよ」ということを伝えることは大切なことなんだなあと感じた。毎日子どもと関わる中で子どものいろいろな気持ちを読み取ることができ、それを踏まえて関わっていくことを大切にしたいなと感じた。Yes、Andを大切に!」

「イエスで受け止めアンドで返していく・・・主役と相手役を演じるのは・・・難しい・・・慣れたらできるようになるのか?・・・不安」

「保育者が子どもの相手役となるのは、年齢によってや時と場合によって、方法をいろいろ変えていかなければならないのだとわかった。でも方法は違っていても「イエス、アンド・・・」の気持ちを忘れなければ自然にできてくるものなのだなと思った。春から働き始めると自分の不安や焦りなどもあり、つい「No」の思いが出てきてしまいそうな自分に気づけたので、「Yes」の思いをもつことを意識して保育をしていくようにしたいなと思った。」

「毎日の園生活を送る中で、子どもたち個人個人を知れば知るほど、子どもたちへの接し方や話し方に偏りが出てくると思います。個人差を考えた対応は必要だと思いますが、ふと初心を思い出し「みんなを平等に見て接してみる」という考えもいるのではないかと思いました。新人保育士だからこそ、見えるもの、できることがたくさんあると思うので、毎日しっかり考えながら、また自分を振り返りながら保育をしていきたいです。」

「子どもたちが入園してきた頃は、新任保育者の気持ちと同じであるいうことに納得しました。そのような不安がたくさんある状況の中で、保育者は子どもが語りかけることを受け取ること。また、受け取るだけでなく、子どもたちの気持ちを共感することが大切だということをあらためて実感しました。子どもは保育者と様々なことを共感することにより、言葉の獲得や人間関係の確立などたくさんのことを経験していくと思います。保育者はたくさんの様々な役割があるけれど、子どもと共感することもとても大切な役割の一つだと思いました。」

「・・・保育者自身も子どもたちと過ごす時間や行っている活動を楽しむことができるような保育をすることが大切なのかもしれないと感じました。」

「子どもに対してYESと受け止めることが大切ということを聞き、これは普段の友達とのかかわりにも言えてくると思った。友達の話を聞くとき、確かに聞いているのだけれども、自分の意見を言おうとしてついNOの返事に変っているなと思った。つまり、子どもでも大人でもYESという返事をし、相手の気持ちに共感して相手が安心できるようにすることが大切だと思った。」


(松山東雲 相馬)

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コメント

くるしまです。初コメント失礼します。

ちょうど今年の正月休み中に,久しぶりに吉村先生の『保育者の「出番」を考える』を読みました。

「YES AND」のアクティビティーが浸透していくと,年長などでは子ども同士の会話の中にも見られることがあり感動します。

学生さんたちの感想,素敵ですね。自分が10年前の初任者研修で相馬先生に初めてお会いした時,同じようなことを考えられていたかどうか思い出すと・・・。あの頃は,保育者になれたことに満足してしまっていたような気がします。

3学期に入り,修了まで残り少ない時間ですが,脇役(年長担任)として子ども達の力を爆発させていきたいと考えています。
今回読んでいて,今の自分に必要なのは「第3部 幕が下りた後で」かなと・・・。

今後とも,刺激的なblogよろしくお願いします!

投稿: くるしまたろう | 2009年1月15日 (木) 01時11分

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