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保育内容「ことば」の授業⑤

今日は、次のようなプリントを配布しました。

Kotoba0630

「プリント上部の図(4つに分割されている)を見て、気付くことは何ですか?」

こういうタイプの質問は、本当に苦手です。
学生にしてみると、正解の予想がしづらいからです。
すぐに「わからない」「何も気付かない」と言います。
それでもしつこく聞いていくと、
「真ん中の段は、どちらも“かかわり”になっている」
などと言います。
「それは、“事実”です。その事実から気付いたことはありませんか?」
と、私もしつこいです。
すると隣の学生が「あ、5領域だ」とつぶやきます。「でも4つしかないよ」
「“表現”は表現、“人との”は人間関係、“環境”は環境…???」
「あ!言葉がないんだ。“個の安定と自立”は健康かな?」

あるいは、こんな答えも返ってきます。
「人とかかわったり、環境とかかわると、感性や表現力が育つ?」
「なるほど、下の層がベースになっているという論理を図に表したというわけですね。」

そんなやり取りをした後、
「(プリントの下半分にある)幼稚園教育要領の「言葉の領域」の内容10項目をよく読むと、言葉の獲得の発達には、人とのかかわりに関係が深い項目と思われるものや、表現の領域に関係が深いと思われるものがあることが見えてきます。」
「各項目を読んでみて、どの領域に関係していると思われるか、○数字の番号を図の中に記入してみましょう。二つの領域にまたがると思ったら境界線上に記入しましょう。」

この個人作業をした後
「さあ、隣の人と“見せ合いっこ”をしましょう。自分とは違うところに記入しているかもしれません。その場合、なぜ自分がその場所を選んだのかを相手に説明しましょう。“説明”すると、その言葉や文章の意味を深く考えることが出来ます。」

この作業の後で、保育指針と教育要領を比較し、異なっているところについて解説した上で、保育所での3歳児同士(2歳児クラス)のモノの取り合い場面の映像を見せました。
一方の3歳児に4歳児の姉がいて、そもそも姉が「ジャンケン」をすることを提案したことが発端となったエピソードです。
画面には保育士の姿も見えていますが、直接介入はしなかったという場面です。
前回までの授業では、幼稚園の4歳児のトラブル場面で教師が介入する映像を見ていますので、それとの比較も考えるように指示します。

学生の感想です。
感想と言うよりも、「私が言ったこと」をそのまま書いているのが多いのですが、「人の言葉を使って」ひとまとまりの文にしてみる経験が大事だと思っています。

「その内容が、どこと関係しているのかの分別は、答えのないことなので難しかったです。隣の人と何でそう思ったのかを話して、“そういう考えもあったか”と発見がいくつかありました。自分の考えを話すことの面白さがわかりました。ビデオは、ナレーションがあると、自分で“どういうことだろう?”とかんがえることが出来ないなとも感じました。」

「感性と表現、人とのかかわり、環境とのかかわり、個の安定と自立はすべて言葉の発達に関係していることを知りました。“生活の中で必要な言葉がわかり使う“というのは、環境とのかかわりだけど、人とのかかわりもあるねと友達と話しました。そこで、“生活の中で”という言葉のとらえ方がいろいろな出来ると思いました。改めて言葉って難しいです。」

「子どもたちは、言葉で自分の思いを伝える、というよりも、保育者のような存在の人に聞いてもらえる、というほうが大切だということがわかった。子ども同士のけんかで、その場その場にあった言葉を探して言おうと4歳のお姉ちゃんはがんばっていた。自分のしたことが原因でけんかが起こったのかと感じ、仲直りをさせようと子どもなりに考えているのがわかった。」

「一つにあてはめることが難しいものもあった。それだけ多くのことが密接につながって、言葉を獲得しているんだと思った。映像では、まだまだ言葉で上手に説明できなくても、保育者に抱きしめられ、泣きながら発している言葉を保育者に聞いてもらう、これは、子どもの安定につながり、自分の思いを伝える自立につながることなのかなと思った。」

「保育士が気持ちを理解してくれることがどんなに大きいかがよくわかった。話を聞いてもらっただけで泣き止んで落ち着いた。そういう時に自分の中でいろいろ考えられるんじゃないかな。お姉ちゃんのほうは、自分がけんかの原因になっていることに気付きとても気にしているようだったし、言葉をたくさん使えるので、必死の状況を説明しようとしていた。」

「前回の映像と同じように、泣き出してしまうような言葉に出来ない感情がありました。幼稚園の場面では、泣き出したところで先生がかかわっていました。今回は先生は見ているだけでしたが、年上の子が助けてあげる姿を見て、子ども同士でも解決できるんだなと思いました。」

今回は、後半の30分でお話作りもしました。

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ペアになって、カエルの紙人形を操作し、お話を楽しみ記録しました。
「モノの取り合い」をテーマにしたものが多かったのは…笑えました。


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(和泉短大 相馬)

保育内容「環境」の授業④・・・「幼児の教育2008年2月号」の記事・・・紙人形「おばけちゃんとかいじゅうちゃん」

前回は、岩波映像の「もういっかいやろうよ」を視聴し、映像の中の幼児の姿や教師のかかわりと関連付けて、「幼稚園教育要領解説」の文章をどのように理解したのかを記述するという課題でした。

前回各自が書いた文章を読み直した後、映像を再度見て、さらにピックアップした4名分の文章を読みました。
今回は、映像と同時進行で、映像に現れる「幼児がかかわるモノ」「幼児の体の動きの種類」を黒板に書き出していきました。

モノとしては
登れる樹木、綱引用の綱、縄跳びロープ、滑り台、ジャングルジム、ブランコ、バケツ、ビールケース、ゴザ、体育用マット、フープ(ソフト)、巧技台、大型積み木、水、石
動きの種類は
ロープをひっぱる、飛び上がる、台から飛び降りる、坂をよじ登る、太いロープを握る、細いロープの先をつまむ、ロープにぶらさがる、揺らす、手を伸ばす、体を支える、持ち上げる、引きずる、物をける

などがありました。

ここで、「幼児の教育2008年2月号」(第107巻2号)に掲載された「運動発達を阻害する運動指導」という論説をもとに、杉原隆先生(当時、東京学芸大学)らが調査された結果についていくつかのことを話しました。


①保育形態によって運動能力の発達に違いが見られ、一斉保育中心園の方が、自由保育中心・両者半々の園より運動能力が低い。
②保育の一環として運動を行っている園(体操・水泳・縄跳び・器械運動・サッカー・マラソンなど)といない園を比べると、全く行っていない園が最も運動能力が高く、よく運動を行っている園ほど低い。

杉原先生は、このようなことは「発達」と「遊び」とのとらえ方の違いから生じていると指摘します。

「スポーツや体力づくり運動の一斉指導が行われる背景には、発達とは量的な増大であるという考え方が根強くあります。」
「このような発達のとらえ方は非常にわかりやすく、保護者にも受け入れられやすいものです。」
「ただ、質的な変化は非常に複雑でわかりずらい上、遊びを通しての指導が子どもの発達的特徴に応じた指導であることを主張しても、これまで遊びの教育的効果を示す客観的な科学的根拠がほとんど示されてこなかったたために、なかなか保育現場や保護者に受け入れられにくいと言う現実があります。」

なお、「幼児の教育」誌は2008年度分までは、お茶の水女子大学リポジトリTeaPotで閲覧が可能で、上記の調査結果のグラフと表も掲載されています。

http://teapot.lib.ocha.ac.jp/ocha/bitstream/10083/49886/1/20080201_007.pdf

この図を見ると、それがよくわかります。
もう7年ほど前になりますが、東京家政大学の修士課程に在籍していた当時、夏に杉原先生の集中講義があり、院生3人に対してまる3日間ぶっ続けで講義をしていただきました。その時の講義内容にもこのデータが使われていました。

この授業は、保育内容「健康」ではなく「環境」なのですが、運動能力・機能の発達と遊びとの関係を理解した上で映像を見直すと、環境の領域の「内容」例えば(2)(7)(8)の意味が、身体性との関連として見えてきます。

(2) 生活の中で,様々な物に触れ,その性質や仕組みに興味や関心をもつ。
(7) 身近な物や遊具に興味をもってかかわり,考えたり,試したりして工夫して遊ぶ。
(8) 日常生活の中で数量や図形などに関心をもつ。

幼児にとっては、気付く・考える・試すといった精神的と思われる働きは、実は身体を潜り抜けているということです。
関心をもつ対象としての「数量」とは、1,2,3と数えることではなく、例えば「届かない」→「台を運び込んで載ってみる」→「届いた」という体験です。そこでは、長さ・高さ・比較・加算などの数学的な原体験をしています。
また、ロープを木や鉄棒にかけてひっぱる体験は、「力の方向」「素材による反発力の違い」など力学についての原体験でもあります。

学生の授業参加コメントをいくつか紹介します。

「前回見たビデオをもう一度見て、ブランコや滑り台など(固定遊具)の場に対して子どもは様々なイメージをもって自分の考えた遊びをしている事がわかりました。幼児の運動能力には、体育指導をしているしていないよりも、遊ぶ時に必要な物的環境の豊富さがより影響していることもわかりました。」
「改めておなじVTRを見ることで、一日のあるひと時の中で、すごくたくさんの運動をしていたことが、書き出すことでよくわかりました。」
「モノを使ってどう遊ぶか、どう使うかなど、考える力も同時に身についているんだなあと思いました。いつも使っていないモノを出してみることで、子どもの想像力や運動能力も上がって来るんだと思いました。」
「遊びを通して、モノとのかかわりを深め、性質を理解することは子どもの考える力や想像力を育てることがわかりました。そのために自由に遊ばせ、子どもたちの遊ぶ範囲を広がらせることで、様々なモノに触れる機会を増やすことが大切だと思いました。」
「小さい頃からやっていたことは、上手になるイメージがあったけれど、体育指導をしているかどうかではないということに驚きました。私たちは、もう子どもではなく意識的に考えて運動をしています。小さい子どもたちは遊びの中で無意識に動いています。だから、保育者側になる私たちは、子どもたちがよく学べるように工夫していく必要があるのだなと思いました。」
「物的環境の豊富さが大切だということがわかりました。子どもが魅力に感じるモノを自由に想像力を働かせて遊ぶことが、運動機能を育てることや考える力を育てるのに大事なのだとわかりました。それだけでなく、遊びを作り出すことが好きな子は、自分が気付いたことにみんなが気付いて、自分に対して興味をもっていると感じることができているなどの場面も、物的環境の豊富さによるのだと思いました。」


さて、授業の最後30分は紙人形の作り方をしました。
ハサミで紙を切るのではなく「破る」です。

《おばけちゃん》
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ハサミで少しだけ切れ込みを入れます。入れなくてもかまいません。
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一方を押さえて、びりびりと引き下げるように破ります。
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引き下げるように破ると、紙がロールします。
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水性ペンなど裏写りしにくいペンで顔を書き足します。
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曲がるストローにセロテープで、少しブラブラするように貼り付けます。
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「おばけだぞう~」もちろん「♪おばけになろう」(作詞:片岡輝 作曲:越部信義)を歌いました!
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《かいじゅうちゃん》

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おばけちゃんには、「足」がありませんが、足のほうも破ると・・・・
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四つんばいのかいじゅうちゃん!
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紙の目の方向を誤ると、こう破れてしまいます。気をつけて!
二足歩行のかいじゅうちゃんもいます。
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次週は、かいじゅうちゃんやおばけちゃんを使っての「お話作り」です。

(相馬靖明 和泉短期大学)

子どもと保育実践研究会 第15回夏季全国大会のご案内

「遊び」の質から「学び」を考えるPartⅠ

   日 時  : 2011年 8月 9日(火)13:00~17:30
                    10日(水)9:30~15:00
   場 所  : アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)

    参加費 : 会員 (両日) 6,000円/ (一日) 3,000円
          一般 (両日) 9,000円/ (一日) 5,000円
          学生 (両日) 2,000円/ (一日) 1,000円

タイムテーブル
【第1日目】(8月9日)
13:00‐13:15 開催挨拶 森上史朗(子どもと保育総合研究所)
13:20‐14:50 講演Ⅰ  佐伯胖(青山学院大学)
14:50‐17:30 分科会

○第1分科会「こども園における遊びの充実(質)と学びについて」
  話題提供:足立祐子(台東区立大正幼稚園長)
         加納光 (新宿区立津久戸幼稚園)
  コメンテーター:戸田雅美(東京家政大学)
  コーディネーター:佐藤暁子(東京家政大学)

○第2分科会「子どもにとって意味のある体験を問い直す」
  話題提供:吉留五百里(若葉台バオバブ保育園)
         国分幸雄(若葉台バオバブ保育園)
  コメンテーター:大豆生田啓友(玉川大学)
  コーディネーター:三谷大紀(関東学院大学)
             髙嶋景子(田園調布学園大学)

○第3分科会「遊びを通してのかかわりの育ち~ビデオカンファレンス」
  話題提供:赤坂榮(聖徳大学)
  コメンテーター:岸井慶子(鎌倉女子大学短期大学部)
            森上史朗(子どもと保育総合研究所)
コーディネーター:高杉展(松山東雲女子大学)

【第2日目】(8月10日)
9:30‐11:00 講演Ⅱ   汐見稔幸(白梅学園大学)
11:00‐11:30 東日本大震災における保育状況について
11:30‐11:45 総会
11:45‐12:45 昼休み
12:45‐15:00 シンポジウム「「遊び」の質から「学び」を考える」
シンポジスト:汐見稔幸(白梅学園大学)
佐伯胖(青山学院大学)
小林紀子(青山学院大学)
コーディネーター:大豆生田啓友(玉川大学)

保育内容「ことば」の授業④

前回の授業は、VTR「せんせいにも きかせて」(岩波映像 1993年)を視聴し、「幼稚園教育要領解説」の言葉の領域についての解説文(フレーベル館版ではP138~139)について、映像の場面とつなげた感想を書くという課題でした。

ちなみに、このVTRに登場する「ゆうこ先生」こそ、夏の実践研究全国大会の第一分科会にご登壇いただく足立祐子先生なのです。
かつて、毎月1回土曜日の午後、台東区立根岸幼稚園で開催されていた「保育を語る会」では若手グループの一員として足立先生たちと一緒に保育を語り合っていました。
VTRの中に、その当時のままの「ゆうこ先生」がいるのは、なんだか不思議な感じです。

今回は、学生の書いた感想文の中から6つをピックアップして、コピーをプリント配布しました。
授業の流れは次のようでした。

①、前週に書いた自分の感想文を読み直す。
②、もう一度VTRを見る。
③、プリントを読む。

今回ピックアップしたものは、次の視点で選びました。
1、ある程度の分量を書いている。
2、「子どもの内面を積極的に理解しようとする保育者の存在」という視点で書いている。
3、構文的に冗長だったり、結語が不十分だったり、書き言葉と話し言葉が混ざっていたりもする。

④、感想文からいくつかの部分を取り上げ、書き換え方を示す。
例:「家の人が言っていた言葉や…」→「家族や身近な大人が使う言葉や…」
  「言葉の発達が少し遅れている子に…と伝えてあげていた。」→「言葉の発達は個人差が大きいので…と伝えてあげていた。」

⑤、どれか一つを選ぶ、またはいくつかを組み合わせて、文章を校正してみる。(文末や単語の言い換え、段落の取り方など)

⑥、「かかわりのドーナツ」について図を板書し解説する。
⑦、「幼稚園教育要領解説」より、言葉の領域の内容1と2についての解説文(フレーベル館版では、P140~142)について、「せんせいにも きかせて」と「かかわりのドーナツ」とに関連付けて解説する。


という流れでした。
図で表していくと、「かかわりのドーナツ」I(私)とYou(二人称的他者)との間で、They世界へ向けての、Joint Attention(共同注視)がおきていることがわかるわけです。

「幼稚園教育要領解説」のこの部分では、どのように書かれているでしょう。

「幼稚園において,幼児が周囲の人々と言葉を交わすようになるには,教師や友達との間にこのような安心して話すことができる雰囲気があることや,気軽に言葉を交わすことができる信頼関係が成立していくことが必要となる。このように,言葉を交わすことができる基盤が成立していることにより,幼児は親しみを感じている教師や友達の話や言葉に興味や関心をもち,自分から聞くようになり,安心して自分の思いや意志を積極的に言葉などで表現しようとするのである。」

You的他者としての教師や友達の存在をクローズアップした表現です。「かかわりのドーナツ」の第一接面で起きていること、でもあります。
また、You的他者としての教師との関係を基盤に教師の視線の先にある世界(教師や友達が関心をもっている世界)へと出会うこと(Joint Attention)も生じていきます。これは、第二接面で起きていることです。

「その幼児なりの動きを交えた表現を教師が受け止め,積極的に理解することによって,相手に自分の思いを分かってもらいたいという気持ちが芽生えていく。そして,教師が的確にその思いを言葉で表現していくことによって,幼児が表現しようとする内容をどう表現すればよいかを理解させていくことも大切になる。教師や友達の言葉による表現を聞きながら,幼児は自分の気持ちや考えを言葉で人に伝える表現の仕方を学んでいくのである。」

You的他者と共に、They的世界にある文化(ここでは、「表現の仕方」)と出会い、それを私のものとしていきます。

さて、授業ではこの後、カエルの紙人形作りもしました。
紙人形を使って子どもと保育者とで「お話つくり」を楽しむことなども、かかわりのドーナツのような状況を作り出すのにも役に立ちます。(このあたりは、無理やりのこじつけですが…)

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カエルの紙人形に、曲がるストローをセロテープでつけています。
これをもって、動かして遊びます。

学生が書いた、イラストメモ

カエルの切り方
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カエルであることが、実はとてもポイントだったりもします。
いきなり人間の紙人形を作ると、自分で描いた顔が「変だ」と思う子どももいます。
ところがカエルの顔だと、横に開いた口やら、鼻の穴やら、バランスが悪そうに思える顔もなんだかカエルらしく思えてきますし、「うちの子(カエル)がやっぱり可愛い」と思えるようなのです。
また、4歳児クラスの今の時期に、「直線的にハサミで切るだけで形を構成する」ことや「ハサミの動きを調整して、途中で止める」ことを経験していくことは、遊ぶことの幅を広げていきます。

次週は、これを使って、ペアになっての「お話作り」をします。

(相馬靖明 和泉短期大学)


保育内容「環境」の授業③

今日で、保育内容「環境」の授業前15回のうち9回が終了しました。
気温が32度を超える中、エアコンが停止した状態での授業は学生もつらかったと思います。
途中から教室に直射日光が当たらなくなったのと、少し湿度が下がったらしく窓からさわやかな風が入り助かりました。

この科目は演習科目ではありますが、短期大学の1年次前期に配置されているため、どうしても保育内容総論や保育原理などの総論的な講義科目の授業内容と重複せざるを得ません。

「幼稚園教育要領の法律としての性格や構造」や「教育課程」との関連などについても触れながら、保育内容の総合性を「環境」の側からとらえることができるようになることを一応の目的としています。

また、「考え」「感想」「気付き」などの記述の仕方の指導も同時に行っていく必要があります。

今日の授業は次のような流れでした。

①、前回の小テストでの記述式問題の「模範解答例」をコピーし配布。(記述式は2問、「好奇心」の説明、「幼児期の遊びの意義」について説明)
②、模範解答例(各7例)について、それぞれの良さ(例えば「自発性」という言葉を使わずに説明している、話し言葉と書き言葉を区別して記述している、例の挙げ方に特徴がある、など)を解説。(着目点はよいが、構文がおかしい場合なども指摘)
③、それぞれが、模範解答の中からどれかを選び、書き写す。(まったくそのまま書き写してもかまわないが、構文を考えて修正しながら書き写すことを推奨)
⑤、「幼稚園教育要領解説」の「環境の領域」の一番最初の文章(フレーベル館版解説書120~121ページ)をコピーし配布。
⑥、解説文の中の、着目すべきいくつかの点をあげ、この後のVTR映像の中から、それに関連しているのではないかと思われる場面を見つけ出す、というワークを行うことを説明。
⑦、岩波映画製作「もう一回やろうよ~心がうごく 体がうごく」(1994年)を視聴。
⑧、A5サイズの半分程度のスペースに、映像を見ての感想を書く(映像の中の、具体的な幼児の姿や教師のかかわりの場面を取り上げ、幼稚園教育要領解説のどの部分のことが「わかった」「理解できた」といった形で記述する)

学生の記述例を紹介します。

○今回のビデオでは、綱や紐などを、自由に使える状態にしていた。「幼児は身近な環境に興味をもち~」という部分に関しては、保育士が初めに用いた、綱引きの綱が相応していたと思う。新鮮なモノを与えるより、何度も関わったことのある物的環境がより、子どもたちの「身近な環境に自らかかわ」ることを助長したと思う。この園では、遊びに対する自由度が高かった。そのため、子どもたちの遊びの幅が広がったと考えられる。そして、外遊びの内容を中遊びで同じように用いる様子が「遊びを繰り返し」に対応していた。

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○一人の子どもが言い出したのを元に、縄を滑り台につけて反対から登れるようにしたり、綱渡りが出来るように工夫した。初めは、靴も靴下も履いたままで渡ろうとしていたけれど「脱いだほうがいい」ということに気付き、裸足で渡るようになった。ここでも、遊びの中で「これはこうした方がよい」という理解につながり、調整力も身に付け心身や精神面も発達していっているんだなと思った。また、保育士の方は、側にマットを置いたり、アドバイスをさり気なくしながらも、全部子どもにやらせてあげる所にさすがだなと思った。「体を動かす」というのは、今まで走ったり遊んだりすることだと思っていたけれど、それだけでなく片づけを全身を使ってすることもそうなんだと、分りました。子どもにとっては綱一本でも好奇心をもち、自発的にかかわっていくいくことで、どんどん成長していき、また新しいことの発見にもつながるんだなと思った。

Good2


○今日はある幼稚園のビデオを見ました。思い切り体を動かして運動するということは、運動能力を身に付けると共に、精神的な成長にも大きな意味をもっています。その運動を自発的に楽しく行うためには、保育者の気付きや環境づくりが大切です。今回のビデオでは、先生が綱を持ってきて、子どもたちの興味をひき、安全性に気を配りながら遊びを広げ、子どもたちが自ら考え、体を動かしたいと思うように働きかける姿が映っていました。「綱渡り」は危ないと思う場面も多いですが、子どもたちの判断力や調整力を養うためにも、すぐに手を貸したりせずに、安全が確認できる範囲で見守ることも大切なのだということがわかりました。

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○先生が運動会で使っていた綱を持ってきたところが「意図的、計画的に環境を構成すること」だと思いました。子どもたちの創意工夫のヒントを与え、そのヒントから子どもたちの発想が大きく膨らむのだなと思いました。新しい遊びが生まれた時に欠かせないのは先生の安全チェック。これを怠らずに、しっかりやることで、子どもたちの笑顔は倍増すると思いました。新しい技を生んだり、新しいことを発見した子どもたちの瞳はすごくキラキラしていました。先生はその輝きがさらに増すようにほめたり、一緒に喜んだりしていました。

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まだまだ、保育士、教師、保育者といった言葉の違いすら認識せずに使っている段階です。
「ですます」と「である」が混じっていたり、「~なんだなあ、と思いました。」と小学生の感想文っぽいものもあります。また、学生が書いたものをよく読むと、映像の中のナレーターの言葉を多少変えながら持ってきているものもありました。
しかし、既に知っているコトガラや既に使っているモノ(ナレーターの言葉、自分の言葉、前回の授業内容で出てきた言葉など)同士を繋げたり組み合わせたりすることで新しい状況を生み出す(自分の思いや考えを幼稚園教育要領解説に書かれていることと関連づけ意味づけること)という作業は、まさに、今回の映像の中で子どもたちが遊びの中でしていることと本質的につながっていることを感じさせられました。

(相馬靖明 和泉短期大学)


「ももぐみおんせん」と「クルクルっと気持ちのいい涼しい風」

先日、関西のある幼稚園を訪問した時のことです。
園への滞在時間は1時間ほどだったのですが、とても素敵な時間を過ごすことができました。


園長先生とは以前から面識があったのですが、幼稚園には初めて伺いました。
まずは園舎の内外を案内していただいたのですが、「どうぞご自由に、ゆっくりしていってください」と園長先生は所用のために出かけられました。

3歳児が園庭の砂場に出てきて遊び始めたので、しばらくそこに留まり様子を見ていました。
クラスの半分ほどの人数でしょうか、裸足になって砂場に向かいます。
その週の前半や前週などはかなり暑い日がありましたので、その時の楽しい思いが続いているのでしょう。
子どもたちは、砂場にできた水溜りに足を入れ、足踏みをすると水が飛び散る感触に声が上がり始めました。
しかし、雨上がりで朝のうちは肌寒い日でしたので、きっとこの間の楽しさとは少し違うことも感じ取っているようでした。
そこへ、担任の先生がバケツを持ってきました。
(先生がバケツの水を流し込んで深くしてくれると、ピッチピッチチャップチャップがもっと楽しくなるぞ!)
と私も思いましたし、子どもたちの予想もきっとそうだったろうと思います。
ところが、先生がバケツの中の水を水溜りに流し込んだとたん・・・「ふあ~」「あ~」と声が上がりました。
(ああ、お湯だったのか!)

「気持ちいい」
「あったかい」
「おんせん!」
狭い水溜りに何人もが足をいれ、そのうち腰を下ろしてまるで足湯状態!
「ももぐみおんせんだね」「○○ちゃん、おんせんいった!」「おかあさんといった」
…先生に聞いてもらいたいことがたくさん浮かんできたようです。
するとその時、地面に腰を下ろして足湯をしていた子どもが、あっと声を漏らし
「おならのこえがでちゃったよ」
と言いました。
「きもちいいからこえがでちゃった」
先生はそれを聞いてにっこり。
   

園長先生からは、写真を撮らせていただく許可を得ていましたので、後日、その場面を学生に見せながら、こんな話をしました。

「寒い日の砂場での水を使った遊びで風邪などひかないようにと、温かいお湯を用意したというケアの場面に見えますね。」

「もちろんそういう部分は大きいのですが、どちらかというとこれはエデュケーションとしての意味がとても大きい場面なのです。」

「入園して2ヶ月足らずの3歳児は、まだまだ他者との物理的・身体的な距離感がそれぞれで、他の子が近くに寄ってきたり身体的な接触があることを嫌ったりすることもあります。」

「一方で、同じ場にいて同じようなことをしている友達の存在に気づき、そのことに楽しさやうれしさを感じ始めてもいます。」

「それらを考え合わせると、小さな水溜りにお湯を注いだという保育者の行為には、子ども同士がより体を寄せ合う楽しさ、お湯の温かさや心地よさを感じそのことでイメージしたことを言葉にして先生に伝える楽しさ、などが感じられるようにという意図があったらしいことがわかります。」

「さらには、隣にいる友達も同じようなことを感じていることがわかり、そのこともお互いに伝わっていくという意味もあったのです。」


養護と教育とが一体となって行われるというのは保育所の保育の話ではありますが、学生にとって大変理解しやすいエピソードとなりました。
入学したての短大1年生でしたのでそれ以上は話しませんでしたが、何より素敵だと思ったのは、3歳児のこの時期に何をねらい、それに応じてどのようなことを子どもたちが経験できるようにするのか、ということを若い先生がその場で判断し「お湯を使おう!」と思ったらすぐにそうできるという、この園のもつ雰囲気というか風土のようなものです。


園の風土については、4歳児のクラスでのエピソードでも感じました。
 
4歳児のあるクラスは、筆を使った絵の具の活動をクラス全員でしていました。
しかし、そのクラスの園庭に面したテラスのテーブルには、男児が一人とクラス担任ではないフリーの保育者が一人いました。
男の子は、自動車の広告から切り出した高級車の写真や、信号や横断歩道などをイメージして描き形に沿って切った紙などを、大きな紙の上に構成して糊づけする遊びをしていました。
私が「それはレクサスだね。レクサスのLSだ」と声をかけると、男の子はいろいろと解説してくれました。
すると、フリー保育者の方が私に
「今は、絵の具はしたくないということで」
とにっこりされました。

しばらくそこで彼とのやり取りを楽しんだ後、また3歳児クラスの様子を見にいき再び4歳児のテラスに戻ってくると、さっきの男の子が大きな画用紙を手にして待っていました。
フリーの保育者の方が、
「ぼくも絵の具をしたから、見てほしいそうなんです。遊びの教室の先生だと思っているみたいです」
とのこと。

そこで画用紙を受け取り…
「オレンジ色でぐるぐるっと、これはなんでしょう?・・・なるほどおひさまですか、オレンジ色の中にここだけ少し赤い色があるというのがいいですねえ・・・オレンジ色の中で青いクレヨンでクルクルっとしているのは?これはなんでしょう?」
「それは…クルクルっと気持ちのいい涼しい風です!」
「おお!暖かそうなおひさまの中で、気持ちのよい涼しい風がクルクルっと吹いているわけですねえ」

そのとき、私たち二人のやり取りを見ていたフリー保育者が
「先生にも見せに行こう」
と男の子に声をかけました。男の子の顔が輝いたように見えたので
「それならば、両手でこう持って…」
としっかり画用紙を持たせ、保育室の中に入っていく男の子を見送りました。
男の子が保育室にやってきたのを見た担任の先生の表情からは、明らかにフリー保育者の意図も伝わっていたのですが、ちょっとした動揺もあったように感じられました。
普段からこの男の子は、クラスでみんなでする活動などには抵抗があり、そのような場面ではフリーの保育者と過ごすことが多かったのでしょう。
担任のその雰囲気が伝わったのかもしれません、あと1メートルほどまで二人が近づいたその時、男の子が画用紙を放り投げたのです。

その瞬間、私もハラハラしてしまいました。
でも、担任の先生は、拾い上げた画用紙の向きを直すと男の子の手に画用紙を持たせ、もう一度、受け取り直したのです。
そして男の子から、絵のことをうれしそうに聞いていました。

私は、とても温かくうれしい気持ちで、その幼稚園を後にすることができました。


(相馬靖明 和泉短期大学)

備忘録:ピアノ譜から音楽データを作成して、iPodやiPhoneで聞きたい。

先日のエントリーで、パネルシアターをしたといいました。

曲は「だからあめふり」(新沢としひこ:作詞、中川ひろたか:作曲、増田裕子:ピアノ譜、クニ河内:編曲)でした。
月間音楽広場特別編集2「絵本SONGBOOKぼくたちのうた」所蔵

Bokutatinouta

当日は音楽の先生にその場で楽譜を見て弾いていただきましたが、前日の学生との準備の段階では、私では楽譜どおりにはピアノが弾けませんので、シーケンサーに打ち込んだものを再生しました。

で、そのときに考えたのが、手元にあるiPhoneで打ち込みデータ(MIDI形式のファイル)を再生できないだろうかということです。
iPhone自体に、かなりクリアに聞こえるスピーカーがついていますし、外部出力からアンプスピーカーにつなぐこともできます。
MIDIファイルを再生できるアプリはないだろうかと・・・。
実は以前、学生を引率してスクールバスで出かけたときに車内で音楽を再生できないかなあと考えて、いくつかの音楽アプリはダウンロードしていたのですが、残念ながらどれもイマイチの出来でした。

というわけで、ぐぐってみました。
PC上で、音符を入力して楽譜を作ることでそれをそのまま再生したりMIDIファイルに変換してくれるフリーソフトがありました。

Studio ftn Score Editor
Scoreeditor


http://studio-ftn.rdy.jp/

そのままではピアノの音色に設定されていますが、もちろん様々な楽器の音色を選べます。
詳しくは上記のサイトでの説明をご覧ください。
楽譜に関するちょっとした知識は必要ですが、中学校や高校の音楽で習った程度の知識で十分いけます。

ところで、MIDIファイルとは何でしょう?
スタンダードMIDIファイル(SMF)と呼ばれる標準規格による音楽ファイルです。 一般的にファイル名の拡張子が「.mid」になっています。
MIDIファイルは、CDなどのような音声データではありません。
音声データは通常、ファイルサイズが大きくなってしまうので、どの音程を、どの音色で、どれくらいの長さで演奏するのかといった情報だけを記録し、そのファイル情報を元にMIDI音源(現在のPCにはソフトウエア的な音源が標準で入っています)から音を鳴らすことで、小さいサイズのファイルにすることが出来ます。
現在は、ネットワークの高速化や記録媒体の大容量化のおかげで、MIDIファイルの必要性は薄れてきているのかもしれません。


さて次に、iTunesにそのMIDIファイルを取り込み、iPodなどで再生できるACCファイルに変換してしまえばよいわけです。

早速やってみました。


ここでは「1142」という名前のMIDIファイル(1142.mid)を先ほどのスコアエディターで作成し、itunesのライブラリに追加します。

Itunesli

iTunes上でファイルを選択し、詳細のプルダウンメニューから「ACCバージョンを作成」をクリックしました。
すると、「1142.acc」という、iPodやiPhoneで再生可能な音楽ファイルに変換されます。

Itunesacc

accバージョンだけでなく、mp3バージョンへの変換も可能です。
iTuneseについてのAppleのサイトにも詳しく説明があります。

相馬靖明(和泉短大)

「ちいさな太陽」

昨日は、勤務校が月に一回開催している子育てひろばのイベントの日でした。
天気がよければ、キャンパスの近くにある畑まで親子でお散歩をするつもりでしたが、雨の予報でしたので、雨番組を用意しました。
新沢としひこさん、中川ひろたかさんの歌「だからあめふり」の世界をパネルシアターにしてみました。
その後、「だからあめふり」を作るコーナーを用意しました。
こんなのができました。


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さて、昨日はその後、「保育者の専門性研究会」(通称、P研」)が中野であり、参加してきました。


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チャリティカードブック
「小さな太陽」(フレーベル館)

倉橋惣三 ことば
大豆生田啓友 選
小西貴士 写真
1冊1000円

小西さんが撮影した「キープ森のようちえん」の写真に、倉橋惣三の「育ての心」から大豆生田さんがことばを選んだポストカードが16枚で一冊になっています。
売上げは被災地の幼稚園・保育園の再建支援に使われます。

出版元のフレーベル館さん、印刷会社のトッパンさんが紙やら印刷やら運搬やら編集やらの費用を負担してくださることで、売り上げの全額が被災地支援に使われることになります。

P研MLで、小西さんの写真を大画面で見たいとリクエストしたらかないました\(^o^)/
ポストカードになった写真を含めたスライドショーを小西さんが用意されて、大豆生田さんとのトークを楽しむという勉強会でした。

倉橋の「育ての心」には、「小さき太陽」という一文があります。この太陽は保育者のことです。子どもらにとっての希望となるような太陽のような存在であって欲しいとの倉橋の願いです。「小さき」には、大きくてはいけないという戒めが込められています。

一方、カードブックのタイトル「小さな太陽」は「六月」という一文からのものです。こちらでは、倉橋は、子どもを小さい太陽のようだといっています。

「子どもたちの顔はみんな明るく輝いている。外からの光でなく、内からの光である。天の太陽は雲につつまれる日があっても、ここの小さな太陽たちは、いつだって好天気だ。」

小西さんは現在、福島県からの避難家族の受け入れを清里でしていらっしゃいます。大豆生田さんの家族もそれにかかわられたそうで、そのことから考え感じられたことを、スライドショーの合間にお二人が語るという形で会は進められました。

会場にいらした汐見稔幸先生が、「被災地の再生ではいけない、子どもの視点での町作りをしない限り、人々は戻ってこない」と述べられ、こども環境学会では被災地の首長へ申し入れをしているとのことでした。

会が終わり近くのお店で食事をしたのですが、汐見先生やりんごの木の柴田愛子先生と親しくお話をすることができました。
柴田先生からは、愛媛県松山市の過疎地域の小学校との交流を続けてこられたとの話を伺いました。
それからしばらく三人で、地方の生活の豊かさを話題に話が弾みました。
最後には「新システムって…」「そう、まったく首都圏からの目線だけ!」…。

たくさんの方からの刺激を受けた勉強会でした。企画をしてくださった皆様、ありがとうございました。

(相馬靖明 和泉短大)

90年前の震災「大災と幼児教育」倉橋惣三

90年前の関東大震災後の「幼児の教育」誌を拾い読みしてみました。
9月の震災後休刊しようやく12月号を刊行しますが、その後も休刊が続き、翌年の4月号から復刊したようです。
1923年12月号はまさに「震災特集」です。
お茶の水女子大のデジタルアーカイブ(TeaPot)は、題名と著者についてはテキスト検索できますが、本文のPDFはテキスト化されていません。
せっかくPDFを見ながらキーボードをポチポチしテキストにしましたので、「幼児の教育1923年12月号」から倉橋惣三の文章などを紹介いたします。
お付き合いください。

「東京市の罹災幼稚園」という一覧がありました。
消失した幼稚園名が列挙されています。
例えば旧日本橋区(現中央区)では、日本橋第一、常盤、城東、坂本といった現在もある幼稚園が焼失したと記録されています。
(ちなみに昨日、中央区立常盤小学校(常盤幼稚園が併設)の前を通ったので校門の説明プレートを読みました。現在の校舎は、関東大震災後に建て替えられたものだという説明がありました。仮校舎で数年二部授業を行い、本格的に建て替えられるまでには5,6年かかったようです。)

この号で倉橋惣三は「大災と幼児教育」という一文を記しています。
東京市の公立幼稚園の2/3、私立幼稚園の半数、託児所も1/4が消失したという報告をしています。
一部を紹介します。

「但し、災後、不幸なる罹災幼児のために、市内到る所に開設せられた保護事業は、其数に於ても、当事者諸君の熱心に於ても、実に特筆すべきものでありまして、急に応じ、機に臨む緊要の施設として、幼児保育の問題も亦決して忘れられて居なかったのであります。市内の所謂大バラック地には、東西本願寺、救世軍、同愛会、一燈園等によって、直に託児所の施設が始められ、其他にも亦、種々の方面の計画が、日と共に起されて居ります。之れがために当局も亦大に意を用いて居るのは言うまでもありません、ただに託児所のみでなく、幼児のための診察、栄養、慰安、娯楽、の方法も亦、それぞれ講ぜられました。ただ何分にも、その必要範囲の広大なことと、各方面に緊急の多事を極めて居るとのために、思う様には行き届かない点のあるのは己むを得ないことであると共に益々充実させなければならぬことであります。」

震災から2ヶ月ほど経過した時点での状況だろうと思います。
その後、倉橋は次のように続けます。

「斯うした事実を目の前に置いて、どうしても私達の胸に浮かんで来なければならぬのは将来の問題であります。すなわち、(一)、斯くも打撃を受けた幼稚園教育を、どうして復旧させようかということ。(二)、ただに復旧ばかでなく、従前からの希望を遂行して、新らしい拡張と充実と実現するためにはどうしたらいいかということ。(三)それからまた、今度の事変が生んだ多くの幼児保護施設を、単に臨時のものとして終わらせないで、我国の幼児保護施設の一般的発達の方へ導いてゆくにはどうしたらいいかということ。などの問題であります。而して之れ皆幼児問題関係者のために、困難ではあるが、併し、元気を振い起させる問題ではありませんか。」

幼児教育界のリーダーとしてビジョンを示した一文ですね。

一方、この号で倉橋は「お茶の水の幼稚園の焼け跡に立ちて」という一文も寄せています。
こちらでは、当事者の立場で心情を吐露しています。
所々抜き出して紹介します。

「くづれた煉瓦と、うづ高い灰と、焦げた木材の破片との中に、土台の据石だけが整然と残って居る。それが各室の位置と区画とを、さながらに示して居るのも却って侘しい。」

「私は、先ず事務室の位置に立って見た。それから廊下を通り抜けて、遊戯室へはいった。それから、組の室を一つ一つ通って見た。山の組へ、海の組へ、森の組へ林の組へ、ただ気ぜわしそうに通って見た。そして、私の見たものは、ただ「無」であった。ほんとうに何も残っていない「無」であった。」

「その時、灰の中に、赤く焼けねぢれた円板のようなものが靴にあたった。蓄音機の金属部だということが直ぐ分った、私は、ステッキのさきで、それをたたいて見た。焼けた金属の音には特殊の響がある。魂のぬけたうつろといった風の音がした。と同時に、私の耳には、幼児達の為に選んだ、あの幾多のレコードの音が響いてくる様な気がした。私は急に思い出した様に、室の…壁も天井も何もない周囲を見まわした。私の目には、ありありといろいろのものが見えて来る、室の中央には、大きな楕円形のテーブルが、同僚の笑顔と笑声との団欒に囲まれて居る。」

「ふと、幼児達の晴かな笑い声が聞こえて来る様の気がした。秋は、急に淋しい気になって、もう一度、組の室の方へ歩いて行った。低い四角のテーブルが見える。小さい椅子が見える。房々しいお下げが見える。色チョークで草花の描いてあるグリーンボードが見える。床の上に散らかって居る大きな積木が見える。紅く輝くまるい頬が見える。私は小さい手にひっぱられる様にして、広い遊戯室へはいった。」

「私は庭へ出た。そこには、明るい日光と、葉の広い大木の軟かな影があった。「おぢさんおぢさん」とよびながら大勢の子どもが駆けて来た。両腕にぶらさがる。後から方に飛びつく。私はおされながら砂場のところへ来た。……そして、そこで、今ほんとうに私の目に見えるものは、焼けただれたながら縺れ下がって居る藤棚と、しょんぼりと淋しく残って居る玄関前の築山とだけであった。」

「そして、空しく、灰の中にステッキを立てて佇立しながら、あの怖しい日が、まだ幼児の集まらない休暇中であったことの不幸中に如何に大きな幸であったかということを今更の様に思って見た。」


(和泉短大 相馬)

保育内容「ことば」の授業③

今週は、7回目の授業でした。
次回がちょうど、前期15回開講の折り返し地点にあたります。
次週は「小テスト」をやるよと言うと、案の定
「え~」「やだ~」

「というわけで、今日は小テスト対策講座です!」

1、これまで6回の授業でそれぞれが書いて提出した「リアクションペーパー」を返却します。
2、自分の書いたものを読み返し、これまでの流れを思い出します。
3、次に、友達の書いたものを読ませてもらう、友達に自分の書いたものを読んでもらう、をします。
4、小テストは、語句の「穴埋め」と「説明」問題なので、それぞれのノートやプリントへの書き込みなどを持ち寄り、問題として出てきそうな事項を、グループでA3サイズの紙に書き出します。
5、それを元に、各自が、A5サイズ1枚の「カンニングペーパー」を作ります。

という流れです。
次週は、自分で作ったカンニングペーパー1枚は見てもよいことにします。
この作業に入る前に、有名な「記憶に残る割合」について話します。
聞く・見る・話し合うの順に、記憶に残る割合が上昇し、実際に体験してみると80%へとグンと上がる。
そしてさらに90%に上げる方法があるのだが、それは何か?
「教える」だという、あの話です。

さて、グループでのワークなので、その前に準備運動をしました。
ボードゲーム「オニミチ」です。

オニミチについては、上のリンクから(株)アソビジのサイトをご参照ください。

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学生の「オニミチ」をやっての感想です。

「最初は説明書のルールのままでやりました。直ぐに終わってしまい単純だったので、次はルールを変えました。」
「やり方は簡単だったけれど、鬼がおきてしまいとても悔しかった。集めたアイテムをどのタイミングで使うかを考えるのが楽しかった。」
「ルールに、若い人順、と書いてあって、みんなに誕生日を聞かなくてはなりません。なので自然にコミュニケーションが取れました。」
「いいところまでいくと、必ず鬼がおきたり振出に戻ったり、なかなかドキドキするゲームでした。少しイライラしましたが(笑)。所々でみんなでルールを決めたり、難易度を上げたりすると一段と楽しくなるので面白かったです。」
「一人ひとりが競い合うのでなく、みんなで協力してやることで、ゴールできたときに喜んだり、オニが目覚めてしまって悔しがったり…一人の失敗もみんなでカバーできるし、相談しながら互いを思いやりながらできるあそびだなって思った。」
「はじめは、ルールをかなり勘違いしながらやっていました。それでも楽しかったので、どんどん設定を変えることで誰とでも遊べるんじゃないかなと思いました。」
「普段は話さない子と一緒に喜び合えてとてもよかった。」
「アイテムの使い方がよく分らなかった。なので1回目ははっきり言って面白くなかった。でも理解したら面白かった」
「結構難しくて、最初は意味わかんなかったけど、わかりだしたらハマッた!」
「話し合って理解して、みんながなるほどー!と思いはじめたたらゲームを進められたし、いつものグループじゃない子がいても仲良くできた」
「対象年齢が、1歳~150歳って書いてたけど、1歳はムリじゃねーって話してました(笑)」


カンニングペーパー作成中!

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(相馬 和泉短大)


保育内容「環境」の授業②

昨日は、雨が降りそうで降らずという午前中でした。
本当は、畑へ行く予定でしたが、降り始めたら直ぐに建物の中に戻れるように、校舎の周りで自然観察をすることにしました。

用意したのは「虫めがね」

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小学校の理科で使っているものです。
これが30個あったのですが、1クラスの学生数には足りないので100円ショップで買ってきました。

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本や新聞など、活字の上から拡大して見るためのものなのですが、小さな虫が逃げ出さないように見ることもできます。

倍率は3倍、10倍、15倍とありました。
3倍程度で十分でした。

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この時期見つかる虫はといえば

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テントウムシの幼虫とさなぎです。

「キモーイ」「ムリなんだけどー」
お決まりの言葉が飛び交います。
でも、どうやら「キモーイ」と声を上げることで、虫めがね越しにのぞく世界に踏みとどまることができているようにも思えました。

授業後のリアクションペーパーです。

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前週は、幼稚園教育要領の第2章「ねらい及び内容」について学習しています。
屋外での「ムシメガネ観察」を終えて教室に戻り、領域「環境」の「内容の取り扱い」を読みました。
教育要領には次のように書いてあります。

(1)幼児が、遊びの中で周囲の環境とかかわり、次第に周囲の世界に好奇心を抱き、その意味や操作の仕方に関心をもち、物事の法則性に気付き、自分なりに考えることができるようになる過程を大切にすること。特に、他の幼児の考えなどに触れ、新しい考えを生み出す喜びや楽しさを味わい、自ら考えようとする気持ちが育つようにすること。

「ムシメガネ観察」の場面で言えば、

・学生が、ムシメガネを目に近づけたほうがよいか、対象物に近づけてみたほうがよいか、いろいろと試している。(目新しいムシメガネそのものへの好奇心)
・友達の髪の毛を拡大して大きく見えることに驚き、ムシメガネそれ自体を楽しむ。(ムシメガネを操作しムシメガネの法則性への気付き)
・拡大して見ると面白いコトガラを次々と発見し、友達や教師に伝えようとする。(発見することそれ自体への出会いの喜び)

といったプロセスがありました。

「内容の取り扱い」では、次にこうあります。

(2)幼児期において自然のもつ意味は大きく、自然の大きさ、美しさ、不思議さなどに直接触れる体験を通して、幼児の心が安らぎ、豊かな感情、好奇心、思考力、表現力の基礎が培われることを踏まえ、幼児が自然とのかかわりを深めることができるように工夫すること。

週末に、関西のある幼稚園を訪問しました。
その際に、園長先生の許可を得て保育中の様子をいくつか写真に撮らせていただきました。
iPhoneで撮影していたので、TVにケーブルをつなぎ学生にも見せました。

3歳児クラスのテラスに、牛乳パックで作ったミニプランターがあり、コスモスが芽を出していました。
今回、「環境」のクラスではポットに大豆の種をまき、ちょうど芽が出てきたところでした。
園内に花壇があったり、少し離れたところに立派な畑があったりすることは多いけれど、「変化」に気付くには、日常的に目に付きやすい環境が大事になるのでこのような「工夫」がされているのだということを話しました。

またその園では、昔の井戸のような手動のポンプで花壇に水をやるようになっていました。
水をためているタンクから伸びたパイプは、屋根の雨どいにつながっていて、雨水を利用していることがわかります。

その日は朝方に雨が降り、少し肌寒いけれど雨上がりの砂場で遊び始めた、3歳児クラスの子どもたちのなんとも楽しいエピソードもあり学生にも話したのですが、それはまたの機会に!

(相馬 和泉短大)

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