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保育内容「環境」の授業④・・・「幼児の教育2008年2月号」の記事・・・紙人形「おばけちゃんとかいじゅうちゃん」

前回は、岩波映像の「もういっかいやろうよ」を視聴し、映像の中の幼児の姿や教師のかかわりと関連付けて、「幼稚園教育要領解説」の文章をどのように理解したのかを記述するという課題でした。

前回各自が書いた文章を読み直した後、映像を再度見て、さらにピックアップした4名分の文章を読みました。
今回は、映像と同時進行で、映像に現れる「幼児がかかわるモノ」「幼児の体の動きの種類」を黒板に書き出していきました。

モノとしては
登れる樹木、綱引用の綱、縄跳びロープ、滑り台、ジャングルジム、ブランコ、バケツ、ビールケース、ゴザ、体育用マット、フープ(ソフト)、巧技台、大型積み木、水、石
動きの種類は
ロープをひっぱる、飛び上がる、台から飛び降りる、坂をよじ登る、太いロープを握る、細いロープの先をつまむ、ロープにぶらさがる、揺らす、手を伸ばす、体を支える、持ち上げる、引きずる、物をける

などがありました。

ここで、「幼児の教育2008年2月号」(第107巻2号)に掲載された「運動発達を阻害する運動指導」という論説をもとに、杉原隆先生(当時、東京学芸大学)らが調査された結果についていくつかのことを話しました。


①保育形態によって運動能力の発達に違いが見られ、一斉保育中心園の方が、自由保育中心・両者半々の園より運動能力が低い。
②保育の一環として運動を行っている園(体操・水泳・縄跳び・器械運動・サッカー・マラソンなど)といない園を比べると、全く行っていない園が最も運動能力が高く、よく運動を行っている園ほど低い。

杉原先生は、このようなことは「発達」と「遊び」とのとらえ方の違いから生じていると指摘します。

「スポーツや体力づくり運動の一斉指導が行われる背景には、発達とは量的な増大であるという考え方が根強くあります。」
「このような発達のとらえ方は非常にわかりやすく、保護者にも受け入れられやすいものです。」
「ただ、質的な変化は非常に複雑でわかりずらい上、遊びを通しての指導が子どもの発達的特徴に応じた指導であることを主張しても、これまで遊びの教育的効果を示す客観的な科学的根拠がほとんど示されてこなかったたために、なかなか保育現場や保護者に受け入れられにくいと言う現実があります。」

なお、「幼児の教育」誌は2008年度分までは、お茶の水女子大学リポジトリTeaPotで閲覧が可能で、上記の調査結果のグラフと表も掲載されています。

http://teapot.lib.ocha.ac.jp/ocha/bitstream/10083/49886/1/20080201_007.pdf

この図を見ると、それがよくわかります。
もう7年ほど前になりますが、東京家政大学の修士課程に在籍していた当時、夏に杉原先生の集中講義があり、院生3人に対してまる3日間ぶっ続けで講義をしていただきました。その時の講義内容にもこのデータが使われていました。

この授業は、保育内容「健康」ではなく「環境」なのですが、運動能力・機能の発達と遊びとの関係を理解した上で映像を見直すと、環境の領域の「内容」例えば(2)(7)(8)の意味が、身体性との関連として見えてきます。

(2) 生活の中で,様々な物に触れ,その性質や仕組みに興味や関心をもつ。
(7) 身近な物や遊具に興味をもってかかわり,考えたり,試したりして工夫して遊ぶ。
(8) 日常生活の中で数量や図形などに関心をもつ。

幼児にとっては、気付く・考える・試すといった精神的と思われる働きは、実は身体を潜り抜けているということです。
関心をもつ対象としての「数量」とは、1,2,3と数えることではなく、例えば「届かない」→「台を運び込んで載ってみる」→「届いた」という体験です。そこでは、長さ・高さ・比較・加算などの数学的な原体験をしています。
また、ロープを木や鉄棒にかけてひっぱる体験は、「力の方向」「素材による反発力の違い」など力学についての原体験でもあります。

学生の授業参加コメントをいくつか紹介します。

「前回見たビデオをもう一度見て、ブランコや滑り台など(固定遊具)の場に対して子どもは様々なイメージをもって自分の考えた遊びをしている事がわかりました。幼児の運動能力には、体育指導をしているしていないよりも、遊ぶ時に必要な物的環境の豊富さがより影響していることもわかりました。」
「改めておなじVTRを見ることで、一日のあるひと時の中で、すごくたくさんの運動をしていたことが、書き出すことでよくわかりました。」
「モノを使ってどう遊ぶか、どう使うかなど、考える力も同時に身についているんだなあと思いました。いつも使っていないモノを出してみることで、子どもの想像力や運動能力も上がって来るんだと思いました。」
「遊びを通して、モノとのかかわりを深め、性質を理解することは子どもの考える力や想像力を育てることがわかりました。そのために自由に遊ばせ、子どもたちの遊ぶ範囲を広がらせることで、様々なモノに触れる機会を増やすことが大切だと思いました。」
「小さい頃からやっていたことは、上手になるイメージがあったけれど、体育指導をしているかどうかではないということに驚きました。私たちは、もう子どもではなく意識的に考えて運動をしています。小さい子どもたちは遊びの中で無意識に動いています。だから、保育者側になる私たちは、子どもたちがよく学べるように工夫していく必要があるのだなと思いました。」
「物的環境の豊富さが大切だということがわかりました。子どもが魅力に感じるモノを自由に想像力を働かせて遊ぶことが、運動機能を育てることや考える力を育てるのに大事なのだとわかりました。それだけでなく、遊びを作り出すことが好きな子は、自分が気付いたことにみんなが気付いて、自分に対して興味をもっていると感じることができているなどの場面も、物的環境の豊富さによるのだと思いました。」


さて、授業の最後30分は紙人形の作り方をしました。
ハサミで紙を切るのではなく「破る」です。

《おばけちゃん》
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ハサミで少しだけ切れ込みを入れます。入れなくてもかまいません。
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一方を押さえて、びりびりと引き下げるように破ります。
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引き下げるように破ると、紙がロールします。
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水性ペンなど裏写りしにくいペンで顔を書き足します。
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曲がるストローにセロテープで、少しブラブラするように貼り付けます。
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「おばけだぞう~」もちろん「♪おばけになろう」(作詞:片岡輝 作曲:越部信義)を歌いました!
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《かいじゅうちゃん》

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おばけちゃんには、「足」がありませんが、足のほうも破ると・・・・
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四つんばいのかいじゅうちゃん!
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紙の目の方向を誤ると、こう破れてしまいます。気をつけて!
二足歩行のかいじゅうちゃんもいます。
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次週は、かいじゅうちゃんやおばけちゃんを使っての「お話作り」です。

(相馬靖明 和泉短期大学)

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