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𠮷村真理子先生を偲んで

𠮷村真理子先生を偲んで

2024年10月4日に、𠮷村真理子先生が逝去されました。

𠮷村先生の略歴とご活躍のご様子についてメッセージをいただきましたので、ご紹介いたします。

【𠮷村真理子先生の略歴】

1927年 愛媛県松山市生まれ 
       松山東雲高等女学校英語科卒業 大洲市の新制中学(音楽教師) 桜美林学園中・高等部(音楽教師)を経て

1952年 東京都立町田保育園(保母)に勤務。後に主任・園長となる
       園長と東京都立高等保育学院非常勤講師を兼任

1981年 母校 松山東雲学園 松山東雲短期大学助教授~名誉教授
       この間、松山東雲短期大学附属幼稚園 副園長を歴任  

1994年 退職後、同校で非常勤講師
       その後フリーの立場で、全国各地での講演会、保育研究、絵本研究、保育現場での実践研究・指導など幅広く活動    

【主著】

「0~2歳児の保育手帳」あゆみ出版,19890/ミネルヴァ書房,2014

3歳児の保育手帳」あゆみ出版,1980/ミネルヴァ書房,2014

「4歳~5歳児の手帳」あゆみ出版,1981/ミネルヴァ書房,2014

「保育実践の創造」ささら書房,1981/ミネルヴァ書房,2014

「絵本の匂い」保育の味小学館,1998

3歳児の保育」ミネルヴァ書房,1999

0歳児の保育」ミネルヴァ書房,2000

『保育者の「出番」を考える』フレーベル館,2001

 

𠮷村真理子先生へ感謝の意をこめて」

樋口陽子(松山東雲短期大学卒 松山東雲女子大学卒)

𠮷村先生は、ご自身の実践を通して、常々子どもや保育の面白さを話してくださいました。語られる中に、保育とは何か、子どもをどのように理解するか、保育で又は保育者が大切にしたいことは何かなどをいつも問われ、更に言葉を添えられて(根拠となるものを織り込まれて)くださいました。また、保育者への応援歌のようにお話をしてくださっていたことが印象的です。その声は穏やかで柔らかで、いつもユーモアを交えながらポジティブにお話しくださるので、聞き手の心に響いていたように思います。
𠮷村先生は、生涯現役で、20241月まで木曜研究会に出られていました。保育の話がなされる場は大変幸せな時間だったと思います。「木曜研は、42年くらい続いてるのよね。40年も続いてる勉強会はどこにもないと思うわ。しかも無料で!参加も欠席も自由なのがいいわよね。東雲らしいし、格好いいわね。」と話されており、東雲学園と木曜研を誇りに思っていらっしゃったとお聞きしています。
個人としてはもちろんですが、保育者としても研究者としても憧れ、尊敬する存在でした。私が松山東雲短期大学で学び、保育に携わるようになって今日に至れているのは、𠮷村先生の保育にかける思いを身近で感じてこられたからのように思います。𠮷村先生が大切にされ語られてきた保育への思いを、これからもつなげていければと思っています。
真理子先生へ感謝の意をこめて。

 

「敬愛する𠮷村真理子先生を追悼する」

渡邉英則(子どもと保育総合研究所 事務局長)

𠮷村真理子先生の訃報に接し、深い悲しみに包まれています。𠮷村真理子先生の功績はさまざまあり、そのすべてに感謝の言葉をささげたいのですが、ここでは特に子どもと保育総合研究所に関することについて𠮷村真理子先生から受け継ぐべき見識や情熱についてお伝えしたいと思います。
子どもと保育総合研究所は、平成元年の幼稚園教育要領改訂に深くかかわられた森上史朗先生や高杉自子先生が立ち上げられた実践の質の向上を目的とした組織です。まさにその当時から、𠮷村真理子先生は実践者として中核的な存在で、一晩中、車座になって保育の話をする【座・コミュニケーション】といった研修会なども含め、さまざまな機会を通して、保育園や幼稚園の枠を超えて、子どもや保育という営みの面白さや奥深さを話して下さりました。𠮷村真理子先生のお話を聞いた人たちが、すぐにでも自分の保育を変えていきたくなるような魅力的で斬新な発想や豊富な経験を惜しみなく話してくださる先生でした。
森上史朗先生が生前にどうしても再出版したいと熱い思いで復刊された『𠮷村真理子の保育手帳』シリーズ(2014年 ミネルヴァ書房)は、今読んでも、子どもを生き生きと表現していて色あせたものになっていません。
𠮷村真理子先生の言葉と行動は、常に実践者の心に刻まれ、導きとなってきました。特に渡邉にとっては、新たな制度となっていく認定こども園の実践を考える上で、いろいろ相談させていただき、多くの示唆を𠮷村真理子先生からいただきました。これからも𠮷村真理子先生の遺した貴重な教えを大切にし、その精神を引き継いでいきたいと思います。
今は言葉では言い尽くせないほどの感謝と尊敬を込めて、𠮷村真理子先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。𠮷村真理子先生の魂が安らかに眠られることを願い、その記憶を永遠に大切にします。

 

 「哀惜と感謝の気持ちを込めて」

赤坂榮(子どもと保育総合研究所 所員)

今、手元に「2001212日 冬季セミナー 𠮷村真理子」と署名のある、御著書「絵本の匂い、 保育の味」があります。それ以前から折に触れ、ご講演をうかがっておりましたが、間近で親しくお話させていただいた初めての機会でした。
絵本を愛し、「保育学」を様々な角度からお話しくださった𠮷村先生のお姿が鮮明に目に浮かびます。私の勤務先であった東京都足立区教育委員会「足立っ子すくすくガイド」の作成に関わるご教示やご講演も幾多いただきました。
そして、ご著書『𠮷村真理子の保育手帳』の再刊に関わらせていただいたことは身に余る光栄と感謝の気持ちでいっぱいです。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。       

 

「𠮷村先生のご逝去の報に接し 心から哀悼の意を表します」

佐藤暁子(子どもと保育総合研究所 所員)

昭和56年に、高杉先生のお骨折りで「保育を語る会」が発足し、みんなで集まり保育の悩みや喜びを語るとき、𠮷村先生は園長時代の事例を時に優しく、時に厳しく話してくださいました。松山の研究会に伺った時には、レストランであのソプラノの凛とした声で話してくださいました。あれから50年、私たちの幼児教育を愛する気持ちを導いてくださった吉村先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。ありがとうございました。

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